日本におけるピアカウンセリングのパイオニア・安積遊歩の人生と現在を追ったドキュメンタリー映画『遊歩 ノーボーダー』が、2026年5月23日(土)より東京・ポレポレ東中野ほか全国で順次公開される。

本作は、社会の中で障がいや性別による差別と向き合いながら、自らの居場所と生き方を模索し続けてきた安積遊歩の軌跡を描く。1956年福島に生まれた彼女は、幼少期から学びの機会を奪われ、社会の不条理に対する怒りを抱えてきた。やがて「福島県青い芝の会」との出会い、アメリカ留学で触れた自立生活運動、そしてフェミニズム思想との接点を通じて、自らの生き方を切り拓いていく。
その後、日本初の自立生活センター設立に尽力し、国際会議への参加や優生保護法の改正にも影響を与えるなど、社会に対して力強く声を上げ続けてきた遊歩。妊娠・出産という人生の大きな転機や、叶わぬ恋や絶望を経験しながらも、彼女は「私は私が一番いい。あなたはあなたで一番いい」と語る境地にたどり着く。
カメラは、車椅子で軽やかに前進する遊歩の姿を追いながら、彼女を支え、共に生きる人々の存在にも光を当てる。家族との関係の中で揺れ動いてきた妹・愛子、同じ特徴を持ちながら海外で学び働く娘・宇宙、そして日常を共にする若い介助者たち。彼らとの関係性を通して、「人はひとりでは生きられない」という普遍的なテーマが浮かび上がる。
監督を務めるのは、本作が長編初監督となる淺野由美子。『どうすればよかったか?』で制作・撮影・編集を担ってきた藤野知明が、本作でも撮影・編集・プロデュースを担当し、二人三脚で作品を完成させた。遊歩の言葉と存在にエンパワーメントされた淺野監督のまなざしが、観る者を深く揺さぶる。
本作は、個人の物語であると同時に、社会とつながり、誰かと共に生きることの意味を問いかける作品だ。遊歩の人生を辿ることで、観客自身もまた「どこまでも行ける」可能性を感じることになるだろう。

■作品情報
タイトル:遊歩 ノーボーダー
公開日:2026年5月23日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
出演:安積遊歩、安積宇宙、神野愛子
監督・撮影:淺野由美子
制作・撮影・編集:藤野知明
音楽:はるの
編集:秦岳志
整音:川上拓也
製作:動画工房ぞうしま
配給:東風
上映時間:82分
製作年/国:2026年/日本
©2026 動画工房ぞうしま

