“捨てられたもの”に惹かれる彼女と、“見えるもの”だけを信じる彼。愛を恐れるすべての人へ贈る異色のヒューマンロマンス『黴の花』が、日本公開を迎える。原作は韓国文学界の名だたる賞を受賞してきた作家ハ・ソンナンの短編小説「Flowers of Mold」。内省的で静かな筆致と、人間の孤独や再生を見つめる視点で世界各国に翻訳されてきた作品だ。

本作は「SNSで選ばれた写真よりも、捨てられた写真のほうがその人の本質を映すのではないか」という着想から生まれた物語。最も私的で無防備な痕跡である“ゴミ”を手がかりに他者を理解しようとする主人公の姿を通して、人と人が出会い、理解し合うことの難しさと希望を静かに描き出す。
主人公ジスは、過去の恋愛による深いトラウマから他人を信じられなくなり、「捨てたゴミに本当の姿が表れる」と信じて他人のゴミを密かに拾い集め、記録する日々を送っていた。そんなある日、丁寧に分別されたゴミ袋に目を留める。それは隣人の男性ウジェのものだった。断片的な痕跡から彼に近づいたジスは、やがて穏やかな時間を共有しながら少しずつ心を通わせていく。しかし、ジスの秘密を知ってしまったウジェとの関係は揺らぎ、彼女は姿を消してしまう――。孤独と再生、そして他者と生きることの意味を問いかける、風変わりで切実な物語が静かに胸を打つ。
映像化を手がけたのは『A Bedsore』で注目されたシム・ヘジョン監督。繊細な演出と独自の視点で、本作は全州国際映画祭でCGV賞とWatcha’s Pick長編映画賞の2冠を獲得、光州独立映画祭ではクロージング作品に選ばれるなど国内外で高い評価を受けた。
主演はガールズグループ「RAINBOW」元リーダーで俳優としても活躍するキム・ジェギョン。心に傷を抱えた女性ジスを静かに、そして深く演じる。共演にはヒョヌをはじめ、キム・リュルハ、ソ・ユンジ、キム・シニョンら実力派が名を連ねる。
▼80秒予告編
https://youtu.be/JQebT1CvUh4

■作品情報
『黴の花』
公開:2026年4月3日(金)シネマート新宿ほか公開
監督:シム・ヘジョン
脚本:シム・ヘジョン、イ・スジン
出演:キム・ジェギョン、ヒョヌ、キム・リュルハ、ソ・ユンジ、キム・シニョン
製作:2022年/韓国
上映時間:104分
言語:韓国語
原題:너를 줍다
配給:JIGGY FILMS
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