第81回ヴェネツィア国際映画祭で最優秀イタリア映画賞(アルカ・シネマ・ジョヴァーニ部門)とFEDICアワード最優秀作品賞をダブル受賞し、世界各地の映画祭で高い評価を受けた感動作『ヴィットリア 抱きしめて』が、4月10日より日本公開されることが決定した。本作は、イタリア映画界の巨匠ナンニ・モレッティがプロデューサーを務めたことでも注目を集めている。

物語の着想となったのは、2016年にナポリで実際に起きた国際養子縁組の実話。主人公ジャスミンは、夫と3人の息子に囲まれ、穏やかな日常を送っていた。しかし40歳を迎え、父の死をきっかけに「自分の人生には娘が必要だ」という強い思いに突き動かされる。金髪の少女を父から託される夢を繰り返し見るようになった彼女は、家族に十分な理解を得ないまま、養子縁組という大きな決断へと踏み出していく。
本作の最大の特徴は、主人公ジャスミンや夫リーノをはじめとする主要人物を、俳優ではなく“本人自身”が演じている点にある。演じることで再び自らの選択と向き合う家族の姿は、フィクションと現実の境界を曖昧にし、観る者に強烈なリアリティをもたらす。難解な書類、厳しい審査、選ぶことのできない子どもの性別、そして高額な費用――養子縁組の過程で突きつけられる現実と、家族内に生じる葛藤が、静かでありながらも力強く描かれていく。
監督を務めたのは、ドキュメンタリー作家のアレッサンドロ・カッシゴリと、ジャーナリストのケイシー・カウフマン。ナポリの街の息遣いを丁寧に映し出しながら、血のつながりを超えて「家族になる」とはどういうことなのかを問いかける。赦し合い、ぶつかり合い、それでも共に生きていくことを選ぶ家族の姿は、国や文化を超えて普遍的な感動を呼び起こす。
あわせて解禁されたポスタービジュアルと予告編では、少女とジャスミンの視線が交差する印象的な瞬間が切り取られ、「愛しているから、赦しあって家族になる」という本作のテーマが強く打ち出されている。実話に基づきながらも映画的な余韻を残す結末は、「驚きに満ちた、エモーショナルで力強い作品」として国際的な評価を獲得してきた理由を雄弁に物語っている。
▼予告編






■作品情報
タイトル:ヴィットリア 抱きしめて
原題:VITTORIA
公開日:2026年4月10日(金)
公開:新宿武蔵野館、HTC渋谷ほか全国順次
監督・脚本:アレッサンドロ・カッシゴリ、ケイシー・カウフマン
出演:マリレーナ・アマート、ジェンナーロ・スカーリカ ほか
製作:ナンニ・モレッティ
上映時間:84分
製作国:イタリア
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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