あいち国際女性映画祭2025の招待作品として注目を集めた映画『長浜』の劇場公開が決定した。舞台となるのは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている滋賀県長浜市の伝統行事「長浜曳山まつり」。その中でも、子どもたちが演じる“子ども歌舞伎”を軸に、自己の芽生えと喪失、他者との出会いを丁寧にすくい取る物語が描かれる。

主人公は11歳の少年・伊吹。1年前に亡くなった日本人の父の遺骨を届けるため、台湾人の母とともに初めて父の故郷・長浜を訪れる。折しも街は祭りの準備期間。伊吹は、かつて父が演じたという子ども歌舞伎の女形を務めることになるが、慣れない土地や独特の言い回しに戸惑い、周囲から孤立していく。そんな中、性に違和感を抱える少女・花と出会い、少しずつ心を通わせていく伊吹。祭り本番が近づくにつれ、伊吹は父の記憶、そしてその不在と真正面から向き合っていくことになる。
監督・脚本を手がけたのは、幼少期を長浜で過ごした谷口未央。自身の記憶を重ね合わせながら脚本を執筆し、地元・長浜曳山まつりの全面的な協力のもと、約8年という歳月をかけて完成させた。本作は『彦とベガ』(2016)に続く待望の長編第2作となる。主人公・伊吹を演じるのは、注目の若手俳優・荘司亜虎。対する花役には、映画初出演となる加藤あんりが抜擢され、いずれも初挑戦となる歌舞伎や祭囃子に真摯に向き合い、瑞々しい演技を見せている。さらに瑛蓮、池田良ら実力派俳優陣が物語を支える。
あわせて解禁されたメインビジュアルには、歌舞伎の衣裳をまとい舞台に立つ伊吹の印象的な表情を大きく配置。「晴れ舞台よ、あなたへ届け」というコピーが添えられ、その下には、ふすまの隙間から何かを覗き込む花の姿が配されている。二人の視線と距離感が、物語の行方を静かに予感させるビジュアルとなっている。
長浜の美しい景観と、伝統文化の息づかいを背景に、子どもたちの葛藤と希望を繊細に描き出す『長浜』。世代や国境を越えて、“居場所”を探し続けるすべての人に静かに寄り添う一本に仕上がっている。

■作品情報
タイトル:長浜
公開日:2026年3月14日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
上映時間:93分
製作年:2025年
監督・脚本:谷口未央
出演:荘司亜虎、加藤あんり、瑛蓮、池田良 ほか
配給:ブライトホース・フィルム
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