俳優・声優を一切使用せず、映像・音声・演技のすべてをAIのみで制作した史上初の“70分超フルAI長編映画”『マチルダ 悪魔の遺伝子』が、12月19日(金)より劇場公開される。本作はカンヌ国際映画祭「ジャパンナイト」やレザー・リール・フランダース映画祭での上映、さらにはAI国際日本映画祭(AIFJ2025)特別上映で立ち見が出るなど、国内外の映画祭を席巻してきた注目作だ。今回、日本公開を目前に控え 新ポスターと新予告映像(60秒版) が解禁された。

舞台は西暦2222年。世界から“男性”という存在が完全に消滅した未来。21世紀初頭、遺伝子学者マチルダは、人間の暴力性の源となる“悪魔の遺伝子”が 男性だけに存在する ことを突き止める。人類が第六の大量絶滅に向かうと判断した彼女は、わずかな女性科学者と極秘裏に《マチルダ・プロジェクト》を発動。暴力性遺伝子を機能停止させるウイルスを世界規模で拡散した結果、2222年、地球上から男性は消滅した。
社会は女性のみで構成された“単性の新たな種”へと進化し、完璧な未来都市が築かれた。そこに生きるエリート女性・9〈ナイン〉は、他者の“気”を読み取る特殊な感性を持つ。ある日、ナインの前に本来この世界に存在しないはずの“男性”が姿を現す。その瞬間から、静かだった新世界の歯車がゆっくりと軋み始める。
ナインの感性によって揺り動かされる“真実”。地下に封じられていた計画の核心。そして、新たな種として生きるか、失われた歴史と向き合うか──。静かなる反逆が新世紀を揺るがす、SFディストピア・ドラマが幕を開ける。本作が投げかけるのは「誰が世界をつくったか」「何を“真実”として信じるのか」という、人類の根源に迫る問いである。
監督は映像制作経験のない素人クリエイター・遠藤久美子。長年胸に宿っていた壮大な物語は形にできず眠り続けていたが、AI技術の台頭により、ついに世界へ解き放たれることとなった。既視感のない造形、想像の先を行く都市デザイン、そしてAIならではの質感が折り重なり、どこにもない未来世界を構築。「胸の内に収めておけない物語を世界へ伝える」という映画の原点を体現する作品となっている。
【監督コメント】
「20数年前、突然“データがダウンロードされる”ように物語が降りてきた。当時は表現する術がなかったが、コロナ禍のバルセロナで再び物語が降り、『伝えなければ』という衝動に突き動かされてAIと出会った。初めてのAI制作、初めての映像制作。全部はまだ伝えられていない。でも第一歩としては十分。表現手段を持たないすべての人に、この映画が少しでも勇気になれば。」
今回解禁された新予告映像(60秒)では、暴力の遺伝子を巡る陰謀、ナインの内面に迫る心理描写、そして“男性消滅後の世界”という衝撃的設定が凝縮されている。また、新ポスターではAIが描いた独創的造形と、世界観を象徴する静謐なビジュアルが印象的だ。
▼予告編(2分バージョン)
■作品情報
タイトル: マチルダ 悪魔の遺伝子
監督・脚本: Kumiko Endo(遠藤久美子)
原作: 『悪魔の遺伝子 第一巻』Kumiko Endo
製作国: スペイン・日本
公開: 2025年/72分
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