聴こえ方も、話し方も、ひとりひとり違う…香港映画『私たちの話し方』3月27日公開決定!

第43回香港電影金像奨で7部門にノミネートされ、2024年金馬奨では主演のジョン・シュッインが最優秀主演女優賞を受賞した話題作『我今天怎麼說』(英題:The Way We Talk)が、日本では『私たちの話し方』の邦題で2026年3月27日(金)より全国公開されることが決定した。本作は、聴覚に障がいをもつ若者たちの友情と葛藤、そして“自分らしい話し方”を模索する姿をみずみずしく描いた青春映画だ。

物語の主人公は、聴覚に障がいのある20代の3人の若者。3歳で聴覚を失い人工内耳を装用し、“聞こえる人”として生きようとするソフィー。生まれながらのろう者として手話話者であることに誇りを持つジーソン。そして、手話と口話の両方を操るバイリンガルのアラン。手話禁止のろう学校で出会ったジーソンとアランは、異なる環境に戸惑いながらも親友として成長していく。やがて、人工内耳を推奨するアンバサダーとして活動するアランとソフィーが出会い、三人の関係は新たな局面を迎える。人工内耳の推進イベントでソフィーが語った「科学が発展すれば、この世からろう者はいなくなる」という言葉に、ジーソンは強く反発。立場も感情も異なる三人の心が交錯していく——。

“話す”という行為をめぐり、それぞれが抱える思いと選択が丁寧に紡がれる本作は、「聞こえない」ということをテーマにしながらも、より広い意味で“他者との関わり方”を問いかける物語となっている。

本作は2024年2月に香港で公開されるやいなや若者を中心に大きな話題を呼び、香港のアカデミー賞にあたる第43回香港電影金像奨で最優秀作品賞、監督賞、主題歌賞など7部門にノミネート。さらに、台湾の第61回金馬奨ではジョン・シュッインが最優秀主演女優賞を受賞。日本でも第21回大阪アジアン映画祭で上映され、会場は満席、スペシャル・メンションを受賞するなど、アジア全体で高い評価を得ている。

公開に先駆けて、歌手パンサー・チャンによる主題歌「What If」のミュージックビデオが公開中。作詞を手がけたのは主演のジョン・シュッイン。香港手話と豊かな表情で、登場人物たちの心情や未来への想いを描き出す。演出はアダム・ウォン監督とポッター・ジョン。出演者のほとんどが聴覚障がい者、またはコーダ(聞こえない親を持つ子ども)で構成されており、手話で「選択肢はたくさんある。僕たちは選べるんだ」と語り合う少年たちの姿が胸を打つ。

「声を出して話すだけが“話す”ではない」という気づきを促す本作は、2025年に開催される「東京デフリンピック」や「東京国際ろう芸術祭」とも呼応するメッセージを発信している。

▼主題歌MV

■作品情報
タイトル:『私たちの話し方』
原題: 我今天怎麼說 / 英題: The Way We Talk
監督: アダム・ウォン(黄修平)
出演: ネオ・ヤウ(游學修)、ジョン・シュッイン(鍾雪瑩)、マルコ・ン(吳祉昊)
2024年/香港/広東語・香港手話/132分/カラー
字幕: 最上麻衣子 字幕監修: Palabra株式会社
配給: ミモザフィルムズ
公開日: 2026年3月27日(金)
上映館: 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開予定
主題歌: パンサー・チャン「What If」

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