釜山映画祭正式出品作『HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話』の佐藤慶紀監督が、対話をテーマに新たに挑む最新作『もういちどみつめる』の予告編と場面写真、キャストコメントが解禁された。主演は筒井真理子と髙田万作。
本作は、森を舞台に“生きづらさ”を抱える青年と、その叔母との心の交流を描いたヒューマンドラマ。予告編では、静かな森に響く言葉の一つひとつが観る者の胸を打ち、対話を通して人と人とが再びつながろうとする姿が映し出される。
佐藤監督は、2022年の少年法改正をきっかけに「生きづらさを抱えた若者と大人の対話」を描こうと企画。少年院を出所した18歳の青年・ユウキ(髙田万作)と、彼を受け入れる叔母・典子(筒井真理子)の交流を通じて、現代社会が見落としがちな“言葉の力”を丁寧に掘り下げる。
典子の理解者・明夫役にはにしやま由きひろ、ユウキの両親を内田周作と川添野愛が演じる。さらに、若手注目株の徳永智加来、中澤実子、吉開湧気、リコ(HUNNY BEE)らが出演し、森の中で繊細に揺れる人間関係を彩る。
にしやま由きひろは「過度な干渉や優しさの押し売りが通念となる現代社会で、主人公2人が生きづらさの象徴になれば」と語り、徳永智加来は「スクリーン越しに森の静けさを感じながら、それぞれの“葛藤”に注目してほしい」とコメント。川添野愛は「“生きづらい”を抱える人々が交われたのは、やはりあの森だった」と語り、本作の象徴的な舞台である自然と人間の関係性を印象的に語った。
▼予告編
■作品情報
タイトル: 『もういちどみつめる』
監督・脚本・編集・プロデュース: 佐藤慶紀
出演: 筒井真理子、髙田万作、にしやま由きひろ、徳永智加来、中澤実子、吉開湧気、リコ(HUNNY BEE)、内田周作、川添野愛
音楽: 中野晃汰
撮影: 喜多村朋充、大渡仁
配給: 渋谷プロダクション
制作: Aerial Films
公開日: 2025年11月22日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
上映時間: 113分/日本語/STEREO/ヨーロピアンビスタ
ストーリー:
山のキャンプ場を営む典子のもとに、少年院を出所した甥・ユウキが突然現れる。母を探すというユウキに、典子は「話を聞くことしかできない」と寄り添う。人との距離を測りかねる2人は、やがて少しずつ言葉を交わし始める。そんな中、典子の息子でユウキの従兄弟・健二が友人と共にキャンプに訪れ、ユウキと大学生・由香理の関係に複雑な感情が芽生えていく——。
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