9月19日(金)より全国公開中の映画『宝島』。日本中を駆け巡る全国キャラバンの最終地として10月2日、新宿バルト9にて東京キャラバンが開催され、主演の妻夫木聡、大友啓史監督、そして原作者・真藤順丈氏が登壇した。
舞台挨拶で妻夫木は「こうして映画が公開しても、なお皆さんの前に立てることが幸せ。『宝島』と手を取り合ってどこまでも歩いていきたい」と熱い想いを吐露。沖縄での上映が連日満員を記録し、通常の約10倍の動員を誇る劇場も出たと聞かされると、「僕は沖縄出身ではないからプレッシャーはあった。ただ、沖縄の方々や先人の想いを背負う覚悟は持っていた」と語り、これまでのキャリアの中でも特別な作品となったことを強調した。
さらに、役作りの原点となった佐喜眞美術館の館長からの手紙が読み上げられると、妻夫木の目からは再び涙がこぼれ落ちた。「佐喜眞美術館で拝見した『沖縄戦の図』は、僕の一生の“核”になった」と感慨を込め、「『宝島』でいっぱい宝が見つかった。だから、皆さんもいっぱい宝を見つけてほしい」と力強く呼びかけた。
会場となった新宿バルト9には400名を超える観客が集結。熱気に包まれる中、フォトセッションでは観客と登壇者が一体となり「たぎれ、東京~!」と声を合わせ、会場は大歓声に包まれた。SNSや口コミを通じて広がる「日本人として観ておくべき一作」という感想に象徴されるように、観客の心を大きく揺さぶる上映が続いている。
大友監督は「沖縄には独自の時間が流れている。その時間が突然遮断されてしまうような出来事を伝えたいと思った」と制作への覚悟を語り、原作者の真藤氏も「議論が巻き起こることが健全。黙殺されるのが一番悲しい」と映画化に込めた意義を述懐。登壇者全員の言葉からは、『宝島』という作品が時代を超えて問いかける強いメッセージが浮かび上がった。
■作品情報
作品タイトル:『宝島』
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
公開表記:2025年9月19日(金)より全国公開中
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
ストーリー:
ある夜、一人の英雄が消えた。アメリカ統治下の沖縄で、自由を求め駆け抜けた若者たちの友情と葛藤を描く感動大作。英雄はなぜ消えたのか? 幼馴染3人が20年後にたどり着いた真実とは――。
©真藤順丈/講談社 ©2025「宝島」製作委員会