竹野内豊「助け舟が本当の意味で必要とされるこの時代に、この作品が送り出されることは必然だった」『雪風 YUKIKAZE』初日舞台挨拶レポート

8月15日(金)、映画『雪風 YUKIKAZE』が全国公開を迎え、東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて初日舞台挨拶が開催された。登壇したのは主演の竹野内豊をはじめ、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一ら豪華キャストに加え、脚本家・長谷川康夫、山田敏久監督。終戦記念日という特別な日に公開された本作への思いや、撮影時のエピソードが熱く語られた。

竹野内は「皆さんの記憶から少しずつ薄れてきてしまうこのタイミングで、この作品に携われたことを光栄に思っております」と挨拶し、続けて「“助け舟”という言葉の本当の意味を改めて考えました。助け舟が本当の意味で必要とされるこの時代に、この作品が送り出されることは必然だったのではないかと思います」と強いメッセージを込めた。

玉木は「ただ悲しいだけではない、未来につなぐ作品だと思っています」と語り、奥平は「今日8月15日という日に映画公開ができることを嬉しく思います」と感慨深げに語った。

奥平は緊迫感あるシーンの中で「乗員たちが彼らなりの幸せを感じる瞬間が描かれている。その時に言葉にならない感情が湧いた」と振り返り、玉木も「大変な災害が起きている世の中で、人に優しい気持ちを持ってもらいたいと思って演じました」と思いを重ねた。

さらに撮影裏話も飛び出し、玉木が「奥平くんは泳ぎが苦手で。でも本当に頑張っていました」と明かすと、竹野内も「何度も水中のテイクを重ねても弱音を吐かず、根性あるなと感心しました」と称賛。奥平は「水が怖かったですが、気合で挑戦して良かったです」と笑顔を見せた。

田中麗奈は「“ただいま”という言葉がこんなに嬉しいものだと身に沁みました」と艦長の妻を演じた心情を語り、當真あみは「撮影中は手紙でしかつながらない役でしたが、今日やっとお兄様(玉木)に会えた気持ちです」と笑顔。

また、帝国海軍・第二艦隊司令長官を演じた中井貴一は「長い役者人生で戦争映画に多く携わってきましたが、その度に勉強させてもらっています。今回は司令長官まで登りつめました(笑)」と会場を和ませつつ、作品への真摯な姿勢を見せた。

脚本の長谷川康夫は「次の世代にも伝えていただきたい」と願いを込め、山田敏久監督は「大切な人と一緒に観てもらいたい」と呼びかけた。

最後に竹野内は「80年という節目にこの映画が世に送り出される意味は大きい。当時の人々の心情を体感していただくことで、多くの方の記憶に刻まれていくと思います」と語り、舞台挨拶を締めくくった。

■作品情報
『雪風 YUKIKAZE』
出演:竹野内豊、玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一 ほか
監督:山田敏久
脚本:長谷川康夫
主題歌:「手紙」Uru(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス

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