菅野美穂「赤楚さんの呪われた演技だけで映画を観る価値がある」『近畿地方のある場所について』初日舞台挨拶レポート

8月8日(金)、小説界を席巻したベストセラーを実写化した映画『近畿地方のある場所について』がついに全国公開を迎え、丸の内ピカデリーで初日舞台挨拶が行われた。W主演の菅野美穂と赤楚衛二、そしてメガホンを取った白石晃士監督が登壇し、撮影秘話や思わず背筋が凍るエピソードをたっぷり披露。会場は笑いと恐怖が入り混じる熱気に包まれた。

黒を基調とした衣装で登場した菅野は、観客に「いかがでしたでしょうか?」と語りかけると、客席からは大きな拍手が。「観るのにパワーがいる映画なのでぐったりされるかと思いましたが(笑)、こうして顔を合わせられて嬉しいです」と笑顔を見せた。赤楚は劇中の独特なセリフ回しで「見てくださってぇえ、ありがとうございまぁあす!」と挨拶し、会場を大いに沸かせた。

本作でオカルトライター・千紘を演じた菅野は、「ホラー映画は他ジャンルにはない表現ができるのが魅力。赤楚さんと白石監督とご一緒できたのは本当に幸運でした」と充実感を語る。特に祠を破壊する鬼気迫るシーンについては、「骨付き肉を生で食べるような女性の気持ちで演じました」と独特の表現で振り返った。さらに赤楚の演技について、「今まで見たことのない表情が撮れていて、その演技だけでも映画を観る価値がある」と大絶賛した。

イベントでは、印象的な恐怖シーンをジェスチャーで再現。菅野は有名な心霊スポットで撮影したトンネルのシーンを披露し、「中学生たちが『緑色の人がいる』と言っていた」と戦慄の裏話を明かした。また、猛暑にまつわる“コワい話”として「家の中が生臭くて霊現象かと思ったら、排水溝の水が蒸発して下水のにおいが戻ってきただけ」と笑いを誘う場面もあった。

菅野は「怖い作品ですが、現実と違うと認識して背筋を涼しくし、暑い夏を乗り切ってください」とメッセージ。赤楚も「恐怖を届けるという貴重な体験をさせていただきました」と感謝を述べ、白石監督は「二度三度と楽しめる作品です」と締めくくった。

■映画情報
『近畿地方のある場所について』
2025年8月8日(金)公開
原作:背筋「近畿地方のある場所について」(KADOKAWA)
出演:菅野美穂、赤楚衛二
監督:白石晃士
脚本:大石哲也、白石晃士
脚本協力:背筋
音楽:ゲイリー芦屋、重盛康平
主題歌:椎名林檎「白日のもと」(EMI Records/UNIVERSAL MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画

©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会