うだつのあがらない最低な落語家が魅せる演芸エンターテインメント『みんな笑え』2025年2月公開

人気も人望も野心もなく、恋人もずっといない、うだつのあがらない五十路の二代目落語家の人情味あふれるほろ苦い生き様を描いた、鈴木太一監督、野辺富三主演による映画『みんな笑え』が、2025年2月8日より公開されることが決定した。併せて、特報映像とティザービジュアルが披露された。

独特の感性で人間を描く映画監督・鈴木太一と、蜷川幸雄演出の舞台に何度も立ちながら下積みを重ねた個性派俳優・野辺富三が出会い、それぞれの境遇を照らし合わせながらオリジナル脚本を執筆。もがきながらも一進一歩、最低な落語家を主人公に、演芸の世界で生きる人々の現実や、親子・師弟関係、介護問題、歪な恋愛模様を独自の視線で描き、野辺富三主演デビューにふさわしい不器用な快作が誕生した。

共演には2024年、主演作『凪の憂鬱』で高崎映画祭最優秀新進俳優賞を受賞した辻凪子を筆頭に、バイプレーヤーの名手・渡辺哲、力強い演技が魅力の片岡礼子、鈴木太一作品には欠かせない今野浩喜など、個性豊かな実力派俳優たちが顔を揃える。

特報映像では、「しょうもない俺、それこそが落語だ」という言葉に続き、高座に向う背中をカメラが追う。ふれあう人々を通り過ぎ、なにも語らず背中で語る、落語家・太紋の幕があがる。

■鈴木太一(監督) コメント
野辺富三という唯一無二の俳優と出会ったことからこの映画がはじまりました。そして、鈴木太一と野辺富三にしか作れない面白い映画がある!と信じてくれた力強い仲間たちの協力のもと、映画が完成しました。七代目立川談志さんの言葉で、「落語とは人間の業の肯定」という言葉があります。落語を題材にした本作は、まさにわたしと野辺富三の業を肯定し、しょうもない俺たちのような人間でも生きていれば必ずどこかに小さな光は射し込むのだという、生きる希望が込められています。富三さん、出会ってくれてありがとう。今度は、映画ファン、演芸ファンのみなさん、そして日本中の「しょうもない俺」のみなさんが、映画館のスクリーンでこの作品と共に野辺富三と出会ってくれたら嬉しいです。

『みんな笑え』
2025年2月8日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督・脚本:鈴木太一
出演:野辺富三 辻凪子 今野浩喜 今川宇宙 和田光沙 杉本凌士 片岡礼子 渡辺哲
配給:ナミキリズム

【ストーリー】 人気もない、人望もない、野心もない、恋人もずっといない、五十歳の最低な落語家、太紋(野辺富三)。家に帰れば認知症によって引退した師匠である父(渡辺哲)の介護の毎日。そんなある日、売れない若手漫才師・希子(辻凪子)と出会ったことで、太紋は自分の人生を見つめ直していく。落ちぶれた落語家の虚しい生き様を通して描く、落語と漫才、親と子をめぐる、熱くほろ苦い人間賛歌が幕をあげる。

©2024 映画「みんな笑え」製作委員会