特殊効果の巨匠フィル・ティペット監督が描く地獄のディストピア『マッドゴッド』12月公開

『スター・ウォーズ』シリーズ、『ジュラシック・パーク』などの名作の特殊効果を手掛けたフィル・ティペット監督によるストップモーションアニメ『マッドゴッド』が、12月2日より公開されることが決定した。併せて、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。

『スター・ウォーズ』、『ロボコップ』、『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズなど、誰もが知る名作の特殊効果の数々を手掛け、アカデミー賞を2度受賞、その後のSF作品に計り知れない影響を与えた巨匠フィル・ティペット。スティーヴン・スピルバーグ、ギレルモ・デル・トロ、ポール・ヴァーホーヴェンらハリウッドの錚々たる大物監督たちから敬愛を集める、ハリウッドの歴史の一端を担う人物だ。

今から約30年前、ティペットは『ロボコップ2』の撮影後に本作『マッドゴッド』のアイデアを閃き、地道に製作を続けていた。だが、『ジュラシック・パーク』で時代が転換点を迎え、ティペットの代名詞である手作りの視覚効果から、業界が本格的にCG映像へと移行。「俺の仕事は絶滅した」とプロジェクトは中断された。それから20年後。ティペット・スタジオの若きクリエイターたちが倉庫を掃除しているときに奇跡的に当時のセットを発見し、彼らの熱望により企画が再始動。ティペットは新世代のアーティストや職人に教え、愛情込めた作品を蘇らせたのだった。さらに、クラウドファンディングで世界中のファンからの応援も集まり、2021年シッチェス映画祭で上映され、数々のメディアに絶賛された。

「天国よりも地獄に惹かれる」と語る天才ティペットの潜在意識から溢れ出したのは、かつて誰も見たことのない暗黒世界。本作では、孤高のアサシンが荒廃した地底に潜り、拷問された魂、老朽化した地下壕、うごめく不気味なクリーチャーたちのあいだを巡っていく。また、『レポマン』や『シド・アンド・ナンシー』で知られる映画監督のアレックス・コックスが、人類最後の男“ラストマン”に扮して出演する。

予告編は、まさにストップモーションの最高峰というべき、地獄のディストピアの圧倒的な世界観、細部までこだわり抜かれた緻密な造形の数々を垣間見ることができる。

ポスタービジュアルのデザインは、『ミッドサマー』、『TITANE/チタン』、『LAMB/ラム』なども手掛けた人気グラフィックデザイナーの大島依提亜が担当。孤高のアサシンがランタンを掲げて降り立った、クリーチャーたちの棲む地底世界が描かれている。

場面写真では、クリーチャーたちやアサシン、ラストマンことアレックス・コックスの姿も切り取られている。

『マッドゴッド』
2022年12月2日(金)より、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督:フィル・ティペット
出演:アレックス・コックス
配給:ロングライド

【ストーリー】 人類最後の男に派遣され、地下深くの荒廃した暗黒世界に降りて行った孤高のアサシンは、無残な化け物たちの巣窟と化したこの世の終わりを目撃する。

©2021 Tippett Studio