世界三大映画祭を制する、イタリアの巨匠ナンニ・モレッティ監督最新作『3つの鍵』が、9月16日より公開される。このほど、予告編とカンヌ国際映画祭総代表ティエリー・フレモーのコメントがお披露目となった。
本作は、カンヌ国際映画祭監督賞受賞作『親愛なる日記』、最高賞パルム・ドール受賞作『息子の部屋』に続き、カンヌに愛されるナンニ・モレッティ監督、7作連続でのコンペティション部門正式上映作品。「ストーリーテリングの気迫と演出の巧みな技」と円熟のモレッティ監督の新境地としてメディアからも称賛された。
今回解禁になった予告編は、ローマの高級住宅街のアパートに暮らす3つの家族が、ひとつの事故をきっかけに、扉の向こうに隠している素顔が露になる様を、スリリングな展開で描く。ある夜、アパートに車が衝突し、女性が亡くなる。幸せな家族らの日常に、歪みが生じはじめる。車を運転していたのは、3階に暮らす息子アンドレア(アレッサンドロ・スペルドゥティ)。犯罪者となった息子のことで苦しむヴィットリオ(ナンニ・モレッティ)とドーラ(マルゲリータ・ブイ)夫妻。一方、仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)とサラ(エレナ・リエッティ)夫妻は、娘を隣の老紳士レナード(パオロ・グラツィオージ)に預ける。しかし、レナードは壊れているという娘の言葉に耳を傾けずにいたために、娘とレナードは行方不明に。公園で無事発見されるものの、ルーチョはレナードが娘に危害を加えたと疑い、「娘に何をした」と掴みかかる。2階のモニカ(アルバ・ロルヴァケル)は、夫が不在でひとり育児をする孤独を吐露。部屋に現れる不吉なカラスを見つめ、怯えている。あの日、どこで道を見失ったのか…。「夫か息子かの選択を強いるなんてむごすぎる、でも私は選んだ」と力強く宣言する3階のドーラ。〝人生の謎を解く鍵はいくつもある″のキャッチコピーとともに、アルゼンチンタンゴを踊る人々を、アパートの門の前で見守る3つの家族。それぞれの選択がもたらす運命の行方、そして苦しみの末に、人生を切り開いていく未来を予感させる。巨匠モレッティ、熟練の演出で見せる緊迫したドラマに、期待が高まる予告編に仕上がっている。
■ティエリー・フレモー(カンヌ国際映画祭総代表)コメント
ナンニ・モレッティは存命する最も偉大な映画監督のひとりであり、俳優・作家・詩人でもある。全力で戦う方法を知っている、敗北を恐れないアーティストだ。
『3つの鍵』
2022年9月16日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほか全国公開
監督・脚本:ナンニ・モレッティ
原作:エシュコル・ネヴォ
出演:マルゲリータ・ブイ リッカルド・スカマルチョ アルバ・ロルヴァケル ナンニ・モレッティ
配給:チャイルド・フィルム
【ストーリー】 ある夜、建物に車が衝突し女性が亡くなる。運転していたのは3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアだった。同じ夜2階のモニカ(アルバ・ロルヴァケル)は陣痛が始まり、夫(アドリアーノ・ジョンニーニ)が長期出張中のためたった一人で病院に向かう。仕事場が事故で崩壊した1階のルーチョとサラの夫婦は、娘を朝まで向かいの老夫婦に預けた。後日、認知症の老夫と娘が行方不明になりルーチョは娘に何か起きたのではと疑念を持ち始める。
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