『ナイトクローラー』、『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』などで知られるリズ・アーメッドが、主演&共同脚本を務めた短編映画『The Long Goodbye(原題)』で第94回アカデミー賞短編実写映画賞を受賞。同作のアニル・カリア監督とオスカー像を手にした記念ショットを自身のインスタグラムに投稿した。
▼アニル・カリア監督(左)、リズ・アーメッド(右) リズ・アーメッドのインスタグラム(rizahmed)より
『The Long Goodbye』は、イギリスで暮らす南アジア系の家族の日常生活が、極右グループの乱入により一変するさまを描いた短編映画。
▼『The Long Goodbye(原題)』 ※YouTubeで全編視聴可能
終盤では、ヒップホップアーティストとしても活動しているリズが、自身の南アジア系イギリス人のアイデンティティを反映した2020年のアルバム「The Long Goodbye」に収録されている「Where You From」の歌詞が引用されている。
リズは授賞式のスピーチで、「このような分断の時代で、物語の役割というのは、“私たち”と“彼ら”が存在するのではないと気付かせてくれることだと思っています。“私たち”しか存在しないのです。どこにも自分の居場所がないように感じている人、確かではない場所(no man’s land)で何もできずにいると感じている人にこの賞を捧げます」と力強くメッセージを伝えた。
オスカー初受賞を果たしたリズは、本年度アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞、長編アニメ映画賞、国際長編映画賞にノミネートされた映画『FLEE フリー』でエグゼクティブプロデューサーを務めている。同作はアフガニスタンからデンマークに亡命した青年の過酷な半生を描く。日本では2022年6月10日に公開される。
現在39歳のリズは、テロリストとして誤認された無実の青年たちを描いた『グアンタナモ、僕達が見た真実』(2006)で長編映画デビュー。スリラー映画『ナイトクローラー』(2014)で注目された後、『ジェイソン・ボーン』(2016)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)、『ヴェノム』(2018)などの話題作に出演している。聴力を失うロックバンドのドラマーを演じた『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』(2019)では、第93回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。