ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチ、タハール・ラヒムが競演し、第78回ゴールデン・グローブ賞にて主演男優賞(タハール・ラヒム)と助演女優賞(ジョディ・フォスター)にノミネートを果たした話題作『THE MAURITANIAN(原題)』が、邦題『モーリタニアン 黒塗りの記録』として10月29日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
本作は、実力派俳優陣の演技対決で現代に問う、タブー視されたアメリカの闇を暴く実話。2015年、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた手記が出版された。筆者の男はその時、9.11の首謀者の一人として拘束され、キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカで大ベストセラーを記録。その後、世界20か国で刊行され、映画化された。
監督を務めるのは、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞のケヴィン・マクドナルド。出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、そしてプロデューサーとしても名を連ねるベネディクト・カンバーバッチ。このモハメドゥの著書を読んで惚れ込んだカンバーバッチが、「これは映画化すべきだ。誰が映画化権を持っているのか調べなきゃいけない」と急ぎ獲得に動いた。また、実在の弁護士を演じたフォスターは、著書のことも彼の物語のこともオファーを受ける以前から知っており、グアンタナモや当時そこで起きたことについて多くの疑問を抱いていたと言い、「私が生きている時代のことなのに、なぜかそうした疑問に対する答えを私は一切知らなかった。まったく何も知らないということに我ながら驚いた。私たちの誰もが9.11の出来事にものすごい衝撃を受けたために、アメリカ中に恐怖心があふれていた。そのせいで誰が抑留されているのかについては、ほとんど考えていなかったのだと思う」と語る。また、モハメドゥ本人を演じたラヒムは「初めて脚本を読んだときには泣いたよ。素晴らしいストーリーだった。彼はヒーローだ。一人の俳優として、そして一人の人間として、僕は、このストーリーは語られるべきだと思った」とコメントする。
ポスタービジュアルには、ナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)ら4人の背景に、黒く塗りつぶされた文書がみられる。「あれから20年…暴かれたアメリカの闇」とコピーが添えられるが、この黒塗りは何を意味するのか?とても不穏な雰囲気のビジュアルとなっている。
『モーリタニアン 黒塗りの記録』
10月29日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督:ケヴィン・マクドナルド
原作:モハメドゥ・ウルド・スラヒ「モーリタニアン 黒塗りの記録」
出演:ジョディ・フォスター ベネディクト・カンバーバッチ タハール・ラヒム シャイリーン・ウッドリー ザッカリー・リーヴァイ
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】 2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の一人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、愕然とする供述が記されていた…。
© 2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.