松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念して、山田洋次監督が沢田研二、菅田将暉のダブル主演、永野芽郁、宮本信子共演で贈る『キネマの神様』が、8月6日に公開。このほど、3月29日にイイノホール&カンファレンスセンターにて完成報告会見が実施され、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、寺島しのぶ、小林稔侍、宮本信子、山田洋次監督が登壇した。『キネマの神様』特別映像も公開!
本作は、無類のギャンブル好きで家族にも見放された主人公・ゴウに“映画の神様”が奇跡をもたらす愛と友情の物語。過去パートと現在パートにわかれており、若かりし頃のゴウを菅田将暉が演じ、現代のゴウを志村けんが演じる予定で、3月末に過去パートは撮影終了し、4月から現在パートの撮影に入ろうとしていた矢先、新型コロナウイルスによる肺炎が悪化し、志村けんが逝去。代役として沢田研二が出演することが発表されていた。菅田は映像を観た感想について、「僕がゴウを演じていたときには想定していない出来事だったんですけど…」と述べ、「ものすごくパワフルに動き回って、大暴れしていて。すごいチャーミング、魅力的なゴウだと思った」と沢田の演技を絶賛。
初の山田組を経験した永野は、撮影について「毎日緊張で、どうしたら良いのか分からなかった」という不安もあったそうだが、「ワンシーン、ワンシーンの皆さん思いとかが、今まで感じることがないことだった」と振り返った。緊張していたという永野に対して山田監督は「とても落ち着いて見えましたよ」と優しくフォロー。すると永野は、「緊張してましたよ〜(笑)。うれしいです!」と笑顔で返した。
MCの「山田監督の熱量を実感したか?」という質問に、菅田は「撮影システムが執念の塊」と表現し、「他の現場とはまるで違う。山田さんが考える時間で、撮影が止まって1時間とかも平気である。それだけスタッフの皆さんが山田さんを信頼している」と自身の考えを述べると、山田が「本当はうんざりしてんだろうね…(笑)」とボヤき。これに菅田は大笑いで「正直、気を使っている方も何人かはいらっしゃいました」とスタッフの本音を暴露し、「それだけ愛情があって、そんなに粘って撮影しても、次の日にリテイクだったりする(笑)」ことを明かして、会場を爆笑させた。しかし最後は真顔に戻り、「俳優として、そんなに求めてもらうことってないので、すごいうれしかった」と山田監督に感謝している様子だった。
『キネマの神様』
8月6日(金) 全国公開
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
VFX監修:山崎貴
出演::沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 北川景子 寺島しのぶ 小林稔侍 リリー・フランキー 志尊淳 前田旺志郎 片桐はいり 原田泰造 宮本信子
配給:松竹
【ストーリー】 無類のギャンブル好きなゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩(寺島しのぶ)にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは「映画」。行きつけの名画座の館主・テラシン(小林稔侍)とゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。50年ほど前、若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師のテラシン(野田洋次郎)をはじめ、時代を代表する名監督(リリー・フランキー)やスター女優の園子(北川景子)、また撮影所近くの食堂の娘・淑子(永野芽郁)に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。そして、ゴウとテラシンは淑子に それぞれ想いを寄せていた。しかしゴウは初監督作品の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。ゴウは撮影所を辞めて田舎に帰り、淑子は周囲の反対を押し切ってゴウを追いかけて行った。2020年。歩の息子の勇太(前田旺志郎)が、古びた脚本を手に取る。その作品のタイトルは、「キネマの神様」。それはゴウが初監督の時、撮影を放棄した作品だった。勇太はその脚本の面白さに感動し、現代版に書き直して脚本賞に応募しようとゴウに提案する。過去の自分と再会した時、ゴウの中で止まっていた夢が再び動き始める。
©︎2021「キネマの神様」製作委員会