第93回アカデミー賞のノミネーションが3月15日(現地時間)に発表され、『Mank/マンク』が作品賞、監督賞(デヴィッド・フィンチャー)、主演男優賞(ゲイリー・オールドマン)、助演女優賞(アマンダ・セイフライド)ほか最多10部門にノミネートされた。
▲『Mank/マンク』
同作は、不朽の名作『市民ケーン』の脚本家“マンク”ことハーマン・J・マンキーウィッツの視点から、1930年代のハリウッドが描かれる。
続いて、現代の“ノマド(遊牧民)”たる車上生活者を描いた『ノマドランド』が、作品賞、監督賞(クロエ・ジャオ)、主演女優賞(フランシス・マクドーマンド)、脚色賞ほか6部門で候補に。同作は、アカデミー賞前哨戦となる第78回ゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ部門)を受賞した。
▲『ノマドランド』(3月26日公開) ©︎ 2020 20th Century Studios. All rights reserved.
同じく、米国に移住してきた韓国人一家を描く『ミナリ』が、作品賞、監督賞(リー・アイザック・チョン)、主演男優賞(スティーヴン・ユァン)、助演女優賞(ユン・ヨジョン)、脚本賞ほか6部門に選出。ほかに、アンソニー・ホプキンスが認知症の父親を演じる『ファーザー』、聴覚を失っていくドラマーの物語『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』、ブラックパンサー党のフレッド・ハンプトンの伝記映画『Judas and The Black Messiah(原題)』、ベトナム戦争の抗議デモで起訴された実在の若者たちを描く『シカゴ7裁判』も、それぞれ作品賞ほか6つのノミネートを獲得した。
監督賞には、アジア系女性として初受賞の期待がかかる『ノマドランド』のジャオ監督と共に、『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督もノミネート。同部門に2人の女性監督が同時選出されるのは史上初となる。
また、主演男優賞には、昨年8月に結腸がんで亡くなったチャドウィック・ボーズマンが『マ・レイニーのブラックボトム』でノミネートを果たした。
第93回アカデミー賞受賞式は、日本時間4月26日に行われる。
以下は、ノミネート結果。
■作品賞
 『ファーザー』(5月14日公開)
 『Judas and The Black Messiah(原題)』
 『Mank/マンク』
 『ミナリ』(3月19日公開)
 『ノマドランド』(3月26日公開)
 『プロミシング・ヤング・ウーマン』(今夏公開)
 『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
 『シカゴ7裁判』
■監督賞
 トマス・ヴィンターベア『Another Round(英題)』
 デヴィッド・フィンチャー『Mank/マンク』
 リー・アイザック・チョン『ミナリ』
 クロエ・ジャオ『ノマドランド』
 エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
■主演男優賞
 リズ・アーメッド『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
 チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
 アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
 ゲイリー・オールドマン『Mank/マンク』
 スティーヴン・ユァン『ミナリ』
■主演女優賞
 ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
 アンドラ・デイ『The United States vs. Billie Holiday(原題)』
 ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
 フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』
 キャリー・マリガン『プロミシング・ヤング・ウーマン』
■助演男優賞
 サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
 ダニエル・カルーヤ『Judas and The Black Messiah』
 レスリー・オドム・Jr.『あの夜、マイアミで』
 ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
 ラキース・スタンフィールド『Judas and The Black Messiah』
■助演女優賞
 マリア・バカロヴァ『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
 グレン・クローズ『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
 オリヴィア・コールマン『ファーザー』
 アマンダ・セイフライド『Mank/マンク』
 ユン・ヨジョン『ミナリ』
■脚本賞
 『Judas and The Black Messiah』ウィル・ベルソン&シャカ・キング
 『ミナリ』リー・アイザック・チョン
 『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェネル
 『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』ダリウス・マーダー&アブラハム・マーダー
 『シカゴ7裁判』アーロン・ソーキン
■脚色賞
 『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』サシャ・バロン・コーエン&アンソニー・ハインズ&ダン・スウィマー&ピーター・ベイナム&エリカ・リヴィノジャ&ダン・メイザー&ジェナ・フリードマン&リー・カーン
 『ファーザー』クリストファー・ハンプトン&フロリアン・ゼレール
 『ノマドランド』クロエ・ジャオ
 『あの夜、マイアミで』ケンプ・パワーズ
 『ザ・ホワイトタイガー』ラミン・バーラニ
■撮影賞
 『Judas and The Black Messiah』
 『Mank/マンク』
 『この茫漠たる荒野で』
 『ノマドランド』
 『シカゴ7裁判』
■編集賞
 『ファーザー』
 『ノマドランド』
 『プロミシング・ヤング・ウーマン』
 『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
 『シカゴ7裁判』
■美術賞
 『ファーザー』
 『マ・レイニーのブラックボトム』
 『Mank/マンク』
 『この茫漠たる荒野で』
 『TENET テネット』
■音響賞 ※録音賞と音響編集賞が統合
 『グレイハウンド』
 『Mank/マンク』
 『この茫漠たる荒野で』
 『ソウルフル・ワールド』
 『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
■衣装デザイン賞
 『Emma.(原題)』
 『マ・レイニーのブラックボトム』
 『Mank/マンク』
 『ムーラン』
 『Pinocchio(原題)』
■メイク・ヘアスタイリング賞
 『Emma.(原題)』
 『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
 『マ・レイニーのブラックボトム』
 『Mank/マンク』
 『Pinocchio(原題)』
■視覚効果賞
 『Love and Monsters(原題)』
 『ミッドナイト・スカイ』
 『ムーラン』
 『ゴリラのアイヴァン』
 『TENET テネット』
■作曲賞
 『ザ・ファイブ・ブラッズ』
 『Mank/マンク』
 『ミナリ』
 『この茫漠たる荒野で』
 『ソウルフル・ワールド』
■歌曲賞
 「Fight For You」『Judas and The Black Messiah』
 「Hear My Voice」『シカゴ7裁判』
 「Husavik」『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』
 「Io sì」(英題:Seen)『これからの人生』
 「Speak Now」『あの夜、マイアミで』
■国際長編映画賞
 『Another Round(英題)』(デンマーク)
 『少年の君』(香港)
 『Collective(英題)』(ルーマニア)
 『皮膚を売った男』(チュニジア)
 『Quo vadis, Aida?(原題)』(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)
■アニメ映画賞
 『2分の1の魔法』
 『フェイフェイと月の冒険』
 『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
 『ソウルフル・ワールド』
 『ウルフウォーカー』
■短編アニメ映画賞
 『夢追いウサギ』
 『Genius Loci(原題)』
 『愛してるって言っておくね』
 『Opera(原題)』
 『Yes-People(原題)』
■短編実写映画賞
 『Feeling Through(原題)』
 『The Letter Room(原題)』
 『The Present(英題)』
 『Two Distant Strangers(原題)』
 『白い自転車』
■長編ドキュメンタリー賞
 『Collective』
 『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』
 『老人スパイ』
 『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』
 『タイム』
■短編ドキュメンタリー賞
 『Collette(原題)』
 『A Concerto Is a Conversation(原題)』
 『Do Not Split(原題)』
 『Hunger Ward(原題)』
 『ラターシャに捧ぐ 〜記憶で綴る15年の生涯〜』

