藤原季節と長尾卓磨がダブル主演を務め、第13回田辺・弁慶映画祭にてTBSラジオ賞を受賞した白磯大知監督デビュー作『中村屋酒店の兄弟』が、11月21日よりテアトル新宿にて公開されることが決定した。併せて、映画監督の瀬々敬久より、本作を絶賛するコメントが寄せられた。
俳優としても活動する白磯大知が、役者業の傍ら独学で脚本を書き始めて初監督した本作は、少しずつ数を減らす、現代の町の酒屋にスポットを当て、兄弟を通じ家族の距離を描いたヒューマンドラマ。「JR SKI SKI 2019」などのWEBムービーや、King Gnu「白日」のミュージックビデオなどで高く評価される光岡兵庫が撮影した味わい深い映像に注目だ。
本作は、第13回田辺・弁慶映画祭でTBSラジオ賞受賞をはじめ、第30回東京学生映画祭でグランプリ、第11回下北沢映画祭で観客賞、門真国際映画祭2019で最優秀J:COM賞と数々の国内映画賞を受賞している。
11月21日から24日までのテアトル新宿での上映は、「TBSラジオ賞受賞記念作品・中村屋酒店の兄弟オリジナルスピンオフドラマ」のラジオドラマからはじまり、本編上映後にも白磯監督が撮影・編集を行ったドキュメンタリー『中村屋酒店』(5分程度)が上映される。そして、上映後のトークには、白磯監督と縁のある若葉竜也、村上虹郎、磯村勇斗らがゲストとして登壇する予定だ。
■瀬々敬久(映画監督) 応援コメント
生まれた場所は同じ筈なのに、やがて微妙に生きる環境が変わってくる兄弟の葛藤。そんな普遍的であって懐かしくもある物語を真っ向勝負で挑んでいる姿勢に心打たれた。俳優たちと作り手の信頼、そういうものが、画面のあちこちから匂い立っていて清々しい。 忘れていた何かを思い出させてくれる作品だ。
▼スタッフ&キャスト コメント
■藤原季節(和馬役)
「けれどもほんとうのさいわいは一体なんだろう」銀河鉄道の夜。ジョバンニの言葉だ。白磯大知が、実在する中村屋酒店の閉店を追ったドキュメンタリーを作り上げた時、僕は感動した。彼もまたほんとうのさいわいを探し続けて、2年間も中村屋酒店と向き合い続けていたことを僕は知らなかった。彼がスクリーンに映し出す“ほんとうのさいわい”をどうか届けたい。僕はそのために頑張る。よろしくお願いします。
■長尾卓磨(弘文役)
今は閉店し建物ももうない中村屋酒店さんをお借りしてぼくらは兄弟になりました。あちらこちらで変わりゆく街の風景を眺めながら、これまで街や人から貰ったもの、借りたもの、返せたもの返せなかったもの、この作品を通してそういったものを思い出しています。ひとつの店をつくるも閉めるもつづけるも、街並みをつくるのも、つまるところ人の思いだと思います。それは今回併映されるドキュメンタリーを観ると一層感じられる。白磯監督はよく「人の思い」という言葉を口にします。このデビュー作でそれを監督は目一杯僕らキャスト・スタッフに託してくれました。見届けてください。劇場で、お待ちしております!
■白磯大知(監督)
町の小さな酒屋、そこで生活する家族。そこに流れる時間を、素晴らしいスタッフキャストと共に作り上げました。藤原季節さん長尾卓磨さんの演じる兄弟は、作品を僕の想像の遥か上へ持ち上げてくれました。是非映画館で濃厚な時間を体感してください!
『中村屋酒店の兄弟』
11月21日(土)〜24日(火)テアトル新宿にて公開
12月24日(木)シネ・リーブル梅田にて公開
監督・脚本:白磯大知
出演:藤原季節 長尾卓磨 藤城長子 橘美緒 千葉龍都 新井秀吾 高橋良浩 中村元江 磯崎信浩 磯崎教子
音楽:総理(響心soundorchestra)「とある兄弟」
【ストーリー】 数年前家を出て一人東京で暮らす和馬(藤原季節)は、親が経営していた酒屋を継いだ兄、弘文(長尾卓磨)の元へ帰ってくる。年齢を重ね、変わってしまった母の姿に戸惑いながらも、その時を受け入れ過ごしていく和馬。相手を思うほど、和馬、弘文は少しずつズレていったお互いの距離を感じていた。和馬の抱える秘密を知る弘文、それを知る和馬。お互いが前に進むためとった選択には、純粋に相手を思う辛さと難しさがあった。そして、二人は朝を迎える。
©『中村屋酒店の兄弟』