「64 ロクヨン」、「クライマーズ・ハイ」などで知られる作家・横山秀夫による犯罪ミステリーを、主演に山崎まさよしを迎え、『花戦さ』の篠原哲雄監督が映画化した『影踏み』が11月15日より公開される。このほど、10月31日にテアトル新宿にてプレミア先行上映会が行われ、キャストの山崎まさよし、尾野真千子、北村匠海、中村ゆり、滝藤賢一、鶴見辰吾、大竹しのぶ、そして篠原哲雄監督が登壇した。
日本を代表する豪華キャスト陣が勢揃いする場ということもあり、その姿を一目見ようと集まったファンによってプレミア先行上映会のチケットは即完売。さらには立見席まで満席状態になる大盛況の中、キャスト陣、篠原監督が舞台に登壇すると割れんばかりの拍手が湧き起こりイベントはスタートした。
はじめに、本作の中で兄弟役を演じたことについて山崎は「14年ぶりに映画に出るということで、これまで多くの作品に出演しているわけでもなかったので(北村)匠海くんには非常に良い空気を作ってもらいましたし、居心地も良かったです」と北村へ賛辞を送り、それに対して北村は「僕はこの中で一番年齢も下で後輩でしたけど、真っ先に(山崎)まさよしさんが温かく迎えてくれましたし、すごく良い雰囲気の中で撮影をすることができました」と山崎に感謝を述べた。続いて、山崎は久しぶりとなる映画の主演を務めたことについて「大役をやらせてもらいましたけど、すごい共演者ばかりで、出来るだけ失礼のないように心がけました。皆さん優しくて鶴見さんとも久しぶりに共演することが出来て本当に感動しました」と『月とキャベツ』以来の共演となる鶴見との再会を喜んだ。すると鶴見も「山崎さんは変わってないところもあるけれど、ミュージシャンとしての道を歩んできた貫禄もあるし、こうして久しぶりに共演できたので長く俳優をやっていると、このような素晴らしい瞬間もあるので感慨深いです」とコメントした。
次に、“山崎まさよし主演映画”への出演オファーを受けたことについて、尾野は「山崎さんとは一度共演したいと思っていましたから即決めでした」、中村は「中学生の時に地元の親友に山崎さんの『One more time,One more chance』をお勧めされ聴いていた思い出があるので、出演が決まった時にはその友達にすぐ連絡をしたくらい嬉しくて、この映画に出演できるなんて贅沢だなって思います」と口にし、大竹は「まさよしさんと電話している時に、ちょうど篠原監督が映画を作るかもって話しを聞いて、すぐに私が『やって!やって!そして私もちょっとだけ出演させて』ってお願いをして、今回実現しました」と本作に出演するに至った裏話を披露。そして、ミステリー界の巨匠・横山秀夫原作の作品に本作を含めて3度目の出演となる滝藤は「横山作品の魅力はキャラクターそれぞれにドラマがあって、細かく描かれていて重厚な物語が作られるところです。それで、いつ私は横山作品の主演をやれますかね(笑)。それまでは俳優として頑張りたいと思います」と横山作品常連ではあるが、主演経験がないことについて語り会場を盛り上げた。さらに山崎との共演についても「俳優同士のセッションって相手の出方がある程度分かるんですけど、ミュージシャンの方とやるのは初めてで今までにない刺激があり楽しかったです」と感謝を述べた。
本作のキャッチコピーでもある“真実を盗み出せ”にちなみ、「共演者から一番盗みたいもの」を聞かれ、鶴見は「大竹さんの演技力・演技に対する情熱を盗みたい!尊敬していますし、大好きな女優なので心を盗みたいです」、大竹は「匠海君の若さ」、北村は「8月にAugustaCampのステージで一緒に『影踏み』を歌わせていただきまして、まさよしさんの真横っていう一番いいところで歌声を聞いてとても痺れたので歌声を盗みたいですね」、尾野も「私も歌うのが好きなので、素晴らしい歌声を持つまさよしさんの歌声です」、中村は「尾野さんの人をリラックスさせ、緊張感を解いてくれる朗らかさを盗みたいです」、滝藤は「中村さんの色気を盗みたいです」、篠原監督は「昔はミュージシャンになりたかったので山崎さんからギターの技術を盗んだら歌手になれるのかなって思ったりしますが、すみません(笑)。諦めて映画を作る道を邁進していきます!」とそれぞれが共演者から盗みたいものを発表し会場を盛り上げ、最後に山崎は「滝藤さんの髪型(イベント当日はパーマ風の髪形)を盗みたい、自分も天然パーマで梅雨時期は滝藤さんみたいにくるくるの髪形になってしまうんですが、背が高くない分ブロッコリーのようになってしまうので髪型と併せて身長も盗みたいです」と意外な盗みたいものを発表し、会場からは大きな笑いが起こった。
ここで、イベント当日の10月31日から2日後の11月2日、3日、4日と奇跡の3連続で誕生日を迎える滝藤、北村、尾野をサプライズで祝福するため、「ハッピーバースデー」のBGMが流れる中、山崎が3人に花束を渡すサプライズが。突然のサプライズに驚きながらも滝藤は「もう43歳です、あと40年は俳優をやれると思うので(笑)。ここにいるみなさんと新しい作品ができると嬉しいです」、北村は「僕は22歳になるんですが、ロケバスの中でまさよしさんがギターあげるよって言われまして、誕生日を知っていてくれたんだなって思い、良いお兄ちゃんです」、尾野は「私は38歳です、嬉しいです!サプライズが大好きです。ありがとうございます!」と感謝を述べた。
最後に、篠原監督は「みなさんと映画を作れて良かったなと思います。山崎くんとは長編映画では23年ぶりのタッグでそして『月とキャベツ』の公開当時と同じテアトル新宿で公開することができたことはすごく奇跡的で、ジャンルは違いますけど『月とキャベツ』と『影踏み』には何か縁があると思っています。本作は映画館で見る良さがある映画なので、みなさんにこの映画を広めてもらって、また公開したら見にきて欲しいです」と本作に対する思いを述べ、山崎は「私自身デビューしてから25周年目に入りまして、今回素晴らしい共演者、そして昔から付き合いのある篠原監督、そして主題歌・劇判も作らせてもらいまして、映画に沿った良い主題歌が書けたと思っています。アニバーサリーで良い作品と関われて感謝していますしとても光栄です」と本作への感謝を伝えイベントは終了した。
『影踏み』
11月15日(金)全国ロードショー
11月8日(金)群馬県先行公開
監督:篠原哲雄
原作:横山秀夫「影踏み」
脚本:菅野友恵
音楽:山崎将義
主題歌:山崎まさよし「影踏み」
出演:山崎まさよし 尾野真千子 北村匠海 中村ゆり 竹原ピストル 中尾明慶 藤野涼子 下條アトム 根岸季衣 大石吾朗 高田里穂 真田麻垂美 田中要次 滝藤賢一 鶴見辰吾 大竹しのぶ
配給:東京テアトル
【ストーリー】 単なる「空き巣」ではなく、深夜に人の居る住宅に侵入し盗みを働く、通称「ノビ師」と言われる泥棒。寝静まった民家を狙い“現金”を盗み出す忍び込みのプロで、その中でも真壁修一(山崎まさよし)は一線を画すスゴ腕のノビ師。証拠も残さず決して口を割らない、その高く強固な壁を思わすしたたかさから、いつしか警察からは「ノビカベ」とあだ名された。ある夜、修一は侵入した稲村邸の寝室で、夫の寝ている側に火を放とうとする妻・葉子(中村ゆり)の姿を目撃する。咄嗟の行動で放火現場を止めに入ったが、その直後、修一は逮捕される。2年後、刑期を終えた修一を迎えてくれたのは弟・啓二(北村匠海)、そして恋人の久子(尾野真千子)だけ。ただ、修一の頭にはこの2年ずっと気がかりなことがあった。何故、あの日の侵入がバレていたのか?何故、自分だけが逮捕されたのか?そして、あの時夫を殺害しようとしていた妻・葉子の行方は…。
©2019 「影踏み」製作委員会