「MOOSIC LAB 2018」準グランプリ 阿部はりか監督作『暁闇』7月公開&韓国・全州国際映画祭に正式出品決定!

「MOOSIC LAB 2018」長編部門にて準グランプリと男優賞(青木柚)を受賞した、阿部はりか監督作『暁闇』(読み:ぎょうあん)が、7月より公開されることが決定した。併せて、5月2日より韓国にて開催される全州(チョンジュ)国際映画祭のワールドシネマスケープ部門に正式招待されることが発表され、特報映像と全州映画祭出品のために制作された海外版ポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、初監督作となる阿部はりかが、インターネットを通してカルト的な人気を誇るLOWPOPLTD.の音楽からインスパイアを受けて制作した、友情でも恋愛でもなく、ただ互いの孤独を共有しあう少年少女たちの透明な関係性を瑞々しく描きだした青春映画。10代の繊細な心情を見事に演じきったのは、『アイスと雨音』の青木柚、『明日にかける橋』の越後はる香、『クレイジーアイランド』の中尾有伽。また、『少女邂逅』を手がけた平見優子による撮影が、闇を照らすひとすじの光のように、陰鬱さのなかに幻想的な風景を作り出している。

全州国際映画祭ワールドシネマスケープ部門への選出は、『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督最新作『ビール・ストリートの恋人たち』などが並ぶなど、インディーズ映画としては異例であり、阿部監督とキャストの青木柚、中尾有伽、越後はる香が舞台挨拶に登壇する回が即日ソールドアウトするなど現地で注目が高まっている。

スタッフ&キャスト コメント

■阿部はりか監督
口をつぐみ抱え込んだ痛みを救い上げたいという一心で、『暁闇』という映画をつくりました。そんながむしゃらな思いに共に向き合ってくれたスタッフとキャスト、そして関わってくれた全ての方に、心から感謝しています。ひとりでは抱えきれなかったものに『暁闇』という形が与えられていく時間の中で、驚くほど幸せな経験がたくさんありました。そしてその全てはそのまま、映画のなかに詰まっていると思います。ぜひ劇場でご覧いただきたい作品です。どうぞよろしくお願いいたします。

■青木柚(コウ役)
コウを演じさせていただきました、青木柚です。MOOSIC LAB 2018が終わり、またこの作品を観て頂けると思うと幸せな気持ちでいっぱいです。僕はこの映画に、小さい頃に見たあやふやな夢と似たような印象を持っています。言葉だけでは表せないような温度や色、匂い、感触。その感覚や感情をコウという少年、暁闇という映画を通して発信できることが嬉しいです。ふとした瞬間に感じる孤独に寄り添うような作品です。是非、あなたに観ていただきたいです。

■中尾有伽(ユウカ役)
単独上映・全州国際映画祭へのご招待というとても大きな機会をいただけたことに、感謝で胸がいっぱいです。必死にもがいた3人の主人公の未来が今ここに繋がっているのだと思うと、羽が生えてしまったように幸せな心地がしています。どうかこの映画が、やさしい蝋燭の光のように、皆様の心に灯ってくれますように。私達の大切なものが、たくさんの人にとっての大切なものになりますようにと、願っています。

■越後はる香(サキ役)
この度、『暁闇』単独上映、全州国際映画祭にご招待して頂けて大変光栄に思います。『暁闇』が国を超え、多くの人に観ていただけるのは不思議で嬉しい気持ちでいっぱいです。まだ『暁闇』を観ていない方はもちろん、既に観た方にももう一度観ていただきたい素敵な作品です。たくさんの方に届いてほしいなと心から思います。

■水橋研二(コウの父親役)
コウの父親を演じました、水橋研二です。現代のリアルがこの作品にはあるのかなと、台本を読んだ時から感じていました。もちろん映画というフィクションなので、劇的には描かれているとも思っています。ですが登場人物、一人一人の人生だったり起こっている出来事は、すぐ側にあり得る人生だと思います。その日常を音楽を通して出会うことで、ファンタジーのような世界に変える事が出来たのは、阿部監督とスタッフの力だと思います。素敵な作品に参加させて頂けた事を皆さまに感謝しています。

■LOWPOPLTD.(音楽)
夜明けにかけて、今日と明日のクレバスを跳ぶ子どもたち。その現在でしかない一瞬に、私たちはすべてのことから自由になる。やがて朝が来て、再び私たちは監禁されるけれど、そうして今を走る子どもたちによって世界はいきつづけてゆく。いつまでも。

『暁闇』
7月より、渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本・編集:阿部はりか
音楽:LOWPOPLTD.
出演:中尾有伽 青木柚 越後はる香 若杉凩 加藤才紀子 小泉紗希 新井秀幸 折笠慎也 卯ノ原圭吾 石本径代 芦原健介 水橋研二
配給:SPOTTED PRODUCTIONS

【ストーリー】 中学3年生のコウ(青木柚)は、何に対しても無気力な少年。同じ中学で教師を務める父親(水橋研二)が生徒たちからいじめられる様子を無関心な態度で眺め、恋人のトモコ(若杉凩)との間にもどこか距離がある。別の中学に通うユウカ(中尾有伽)は、学校が終わると、いつも街をふらふらしては見知らぬ男たちとつかのまの関係を持っている。ユウカの同級生サキ(越後はる香)は、不器用にすれ違う両親の狭間で、行き場のない悲しさを抱えていた。そんな3人は、インターネットで公開されていたある音楽をきっかけに導かれるように出会いを果たすが…。