檀れい、荒俣宏、髙橋ツトム、束芋、片岡鶴太郎ら著名人より絶賛コメント!『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』

ナチスに弾圧され奪われた美術品と、それに関わる人々の運命に迫る名画ミステリー『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』が4月19日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられ、併せて、劇中登場する名画の一部(パウル・クレー、マックス・ベックマン、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーなど)と、30秒予告編がお披露目となった。

1933年から45年にかけて、ナチス・ドイツがヨーロッパ各地で略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、戦後70年以上経った今でも10万点が行方不明と言われている。本作では、欧米で活躍する歴史家や美術研究家を始め、略奪された美術品の相続人や奪還運動に携わる関係者の証言をもとに、ヒトラーの思想の背景と略奪された美術品が辿った闇の美術史に迫る。

ナチス・ドイツによる美術史上最悪の略奪と、今なお続く美術品の奪還を巡る相続人たちの粘り強い戦いを案内するのは、『グレート・ビューティ/追憶のローマ』(2014)や『修道士は沈黙する』(2018)など、イタリア映画界が誇る名優トニ・セルヴィッロ。字幕監修は、大ベストセラー「怖い絵」シリーズ著者で、68万人を動員した「怖い絵展」監修も務めた作家・独文学者の中野京子が担当する。

著名人 絶賛コメント

■荒俣宏(作家)
なるほど、あれば芸術戦争だったのか。悪しき芸術をめぐる撲滅派VS擁護派。ただ、「悪しき」かどうかは誰にも決められなかった。

■榎木孝明(俳優)
まだ見ぬ奪われた多くの名作は今どこに。戦争は人命だけでなく芸術も奪った事実をもっと知るべきだ。

■大澤聡(批評家・近畿大学文芸学部准教授)
それはいかにしてここにあるのか?高精細度のデジタル・アーカイブが自然環境と化した時代、唯一の現物に折り畳まれた履歴は新たな意味を帯びはじめる。ドキュメンタリーの繊細な開封の手つきが並のミステリや学術を蹴散らす。

■奥田瑛二(俳優・映画監督)
やり過ごすことのできない無常と混沌。“芸術と政治”相容れることのできない限りない矛盾が押し寄せてきた。

■香川檀(表象文化論・武蔵大学人文学部教授)
これは、美術品がいかに所有の欲望を掻き立て、権力と結びつくかを暴露するドキュメンタリーだ。絵画が放つ、イメージを所有することの抗いがたい魅力──。私たちはもう、一枚の絵の背後に渦巻く欲望と略奪の歴史を思わずに、 名画を鑑賞することはできなくなった。

■片岡鶴太郎(俳優・画家)
沢山の名画が権力の横暴で略奪された!絵画は権力の象徴では無い!作品を心から愛でる人の物だ!!

■城戸真亜子(洋画家)
「無関心は許されない。芸術家はこの世の悲劇や喜びに敏感な政治家であるべきだ」
というピカソの言葉に共感!

■鴻池朋子(美術家)
「自分たちはなぜヒトラーを可能にしてしまったのか」という戦後の問いを、「人間はなぜ芸術を生みだしたか」と換えて自問した!

■佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
文化を続けていくということが、いかに脆く切なく、そしてだからこそ愛おしいことであるか。そのささやかな世界を戦争は容易に破壊し、そして過去の遺産までをも消滅させてしまうのだ。戦慄するドキュメンタリー。

■新藤淳(国立西洋美術館 主任研究員)
美の危うき誘惑。ひとはしかし、その危うさを容易く忘れる。あまつさえ美を「正しさ」や「優生」の規範と取り違えながら。そうした危うさに鈍感となるとき、ひとびとはそれと知らぬまに「政治の美学化」に溺れてゆく。これはたんに遠い異国の昔ばなしではない。

■ジュディ・オング(歌手・女優・木版画家)
ヒトラーの野望と消えた名作の行方。生々しい映像で真実を知り、喀血しそうな思いが、体中を駆け巡った。美しければ美しいほど悲しい。

■髙橋ツトム(漫画家)
創り手にとって作品は命そのもの…。略奪された芸術品がまだ存命してるなら…あるべき場所に戻してあげたい。

■束芋(現代美術家)
ヒトラーによって、多くの不幸が生まれたあの時代。でもだからこそ、大きな戦いの中で、不幸の数に比例するように素晴らしい絵が多く生まれ、現在もなお、その絵の存在の強さが、戦いを継続させている。戦いを決着させるためにさまざまな専門家が立ち上がり、正義を模索していることを知った。ヒトラーはきっとピカソになりたかったのだと思う。

■檀れい(女優)
権力!権力!!権力!!!虐殺を繰り返し、芸術性までをも破壊するヒトラー。彼にとっての平和とは。自由な表現こその芸術の可能性を奪ったヒトラーに向けた、ピカソの言葉が難しく突き刺さる。

■中野京子(作家/「怖い絵」シリーズ)
美術品を漁り「総統美術館」の建設を夢見たヒトラー。ピカソ、フェルメール、ルノワール、ブリューゲル…、数々の名画が映し出すのは、美と恐怖の物語。

■保坂健二朗(東京国立近代美術館)
作品の来歴調査という地味な仕事が今のアート界ではとても重要。そんな基本がよくわかる素晴らしいドキュメンタリーです。

■堀潤(ジャーナリスト・元NHKキャスター)
強い悲しみ、強い喜び、強い感動。それは何者かが心の中に侵入してきた証。芸術とプロパガンダは相性がいい。ヒトラーが何をやったか。学ぶべきだ。

■水野祐(法律家・弁護士)
アート作品は誰のものか?所有者か。権力者か。それとも公共財産なのか。アート作品は私たちが知らない歴史を露わにする。

■本橋弥生(国立新美術館 主任研究員)
文化の中心にはユダヤ人がいた―封印されてきた惨劇。忘却の彼方に葬らず、声を上げた勇敢な人々に感謝。

■森村泰昌(美術家)
戦争とは美の略奪である。あるいは美を愛する者達による、美をもてあそぶ者達へのレジスタンスでもある。愛か略奪か。この映画は、あなたに強くその選択を迫っている。

『ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ』
4月19日(金) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督:クラウディオ・ポリ 
原案:ディディ・ニョッキ
出演:トニ・セルヴィッロ
配給:クロックワークス アルバトロス・フィルム

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