『帝一の國』公開記念! 菅田将暉の多面性が堪能できるコミックの映画化3作品

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「いま最も忙しい若手俳優」とも言うべき菅田将暉の最新主演作『帝一の國』が2017年4月29日(土)より全国公開される。古屋兎丸による同名コミックの映画化で、菅田は学校の頂点である生徒会長選挙に命をかける高校生を演じる。そこで今回は、数ある出演作品の中でも、コミックの映画化作品に焦点をあて、菅田将暉の役者魂にも迫る!

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『帝一の國』
2017年4月29日(土)全国東宝系にてロードショー
監督:永井聡 原作:「帝一の國」古屋兎丸(集英社ジャンプコミックス)
出演:菅田将暉 野村周平 竹内涼真 間宮祥太朗 志尊淳 千葉雄大 永野芽郁 吉田鋼太郎

(C)2017フジテレビジョン 集英社 東宝
(C)古屋兎丸/集英社

『王様とボク』

菅田の魅力といえば、なんといってもauのCMの“鬼ちゃん”のような無垢な笑顔だろう。やまだないとの同名人気コミックを映画化した『王様とボク』で菅田が演じたのは、身体は18歳なのに心は6歳の子供のままの青年モリオ。そんな複雑な役を演じるにあたり、菅田は『ギルバート・グレイプ』で知的障害をもつ少年を演じ、アカデミー賞助演男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオを参考に演技プランをかためたそう。また12年もの昏睡状態から目覚めたという設定のため、8キロもの減量に挑戦。初主演ながら徹底した役作りで難役をみごとに演じ切った。ちなみにその後、女装が趣味の青年を演じた『海月姫』では、女性服を着るために2ヵ月で10キロ以上もダイエット。このストイックさも菅田を語る上での魅力のひとつだ。

『セトウツミ』

大阪出身の菅田のネイティブな関西弁と等身大の魅力が堪能できるのが、池松壮亮とW主演を果たした『セトウツミ』だ。大阪の男子高校生が放課後に川辺で繰り広げる会話劇で、公開当時のキャッチコピー“ケンカもない、部活もない、壁ドンもない青春映画”よろしく、池松壮亮演じる内海と、菅田演じる瀬戸がただただ喋るだけの75分。池松とのウィットに富んだ掛け合い、関西人・菅田の身体に染み付いたかのような独特の“間”にクスクス。友達といる時にオカン(パーマネントにヒョウ柄の服が強烈!)が通りがかり、気まずくなる瞬間など“高校生あるある”にも思わずニヤリ。特別な事件は何も起こらず、日常を切り取った作品の中で、等身大の高校生を好演した菅田。『帝一の國』では一転、七三分けでクセの強い高校生を“怪演”!?

『溺れるナイフ』

ジョージ朝倉による同名人気コミックを、小松菜奈とのW主演で映画化した青春恋愛映画。『セトウツミ』の瀬戸がどこにでもいる高校生なら、本作で菅田が演じたのは、まさに少女漫画の中だけにしか存在しないような、神聖化された青年コウちゃん。小松演じる夏芽が出会った瞬間に恋に落ちるミステリアスなカリスマ性は、菅田本人のキャラクターやイメージにも通じるところで、キャスト発表時には、原作ファンからも“神キャスト”と絶賛された。公開後も、とあるシーンで見せた菅田の“流し目”には「ゾクッとした」「国宝レベル」「妊娠した!」などの感想でTL上はお祭り騒ぎ。少女漫画の映画化にありがちなスイーツな胸キュン要素はなく、脆くて壊れやすい青春の一瞬の煌めきが封じ込められた本作。ピュアさと危うさ———人間の光と影の両方を内包した菅田の、影の部分がいかんなく発揮された作品だ。(平井万里子)