発行部数が240万部を突破し、映画化、舞台化もされた人気作家・東野圭吾による代表作「手紙」を、主演に亀梨和也、共演に佐藤隆太を迎えて映像化したドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」が、12月19日にテレビ東京系にて放送される。このほど、12月5日にテレビ東京 六本木社にて完成披露試写会&記者会見が開催され、キャストの亀梨和也、佐藤隆太、本田翼が登壇した。
本作は、犯罪加害者の弟という運命を背負いながらも懸命に生きる主人公・武島直貴が、自分の家族を持つまでの軌跡を、劇中で交わされる兄弟の手紙を通して丁寧に描く。今回のドラマ化に際し、物語の舞台を、原作刊行当時の2003年より情報の拡散力が上がったデジタル社会の現代に設定。獄中の兄から届く手書きの手紙とSNSで簡単につながってしまう社会との対比を映し出す。
犯罪加害者の弟という運命を背負う主人公・武島直貴を演じた亀梨。劇中の歌うシーンについて聞かれると「一応、なんちゃってアーティストなので(笑)」と謙遜気味。「アーティストの時はクセが強め。役として素敵にも聞こえなければいけないので」とスタッフと話し合って撮影したことを明かした。
獄中から直貴に手紙を送り続ける兄・剛志役の佐藤は、本作への参加について「作品として作るのは、ハードルが高い。キャストとスタッフ全員が熱い想いを持って作った」とコメント。直貴を支える白石由実子役の本田は、「もともと原作を読んでいた。考えさせられる作品」だが、本作に参加できたことを喜んだ。
現場での雰囲気を聞かれた亀梨は、自身の娘役となる子役について「最初、全然僕に懐いてくれなくて(笑)。完全に対男子として見られてしまって(笑)」と苦笑いしたが、後半はようやく打ち解けたことを明かした。
手紙が重要なアイテムとなる本作にちなみ、キャストたちが互いに宛てた手紙を書くという場面も。亀梨宛に手紙を書いた本田は「前略、亀梨和也様。先日、弾丸でスタッフの皆さんとパスタを食べましたね。今度はフレンチがいいですね」と読み上げると、亀梨は「撮影中の空き時間があって、パスタ屋に一人で走って、先にとりあえず注文した」と事の顛末を説明。本田も「10分で食べました。楽しい思い出です」と笑顔で食事会を振り返った。
佐藤宛に手紙を書いた亀梨が「先日はなかなか会えず、残念でした。今度は食事や野球の話もたくさんできたら嬉しいです」と読み上げつつ、「取材などでお会いする機会があればと思いましたが、なかなか今日までお会いする機会もなく(笑)」と話すと、佐藤も「実際に会う日数も少なく。今度はご機嫌な間柄でお会いしてみたい」と次回の共演に希望を込めた。
記者から「キラキラ要素を封印したか」という質問に、「シャープさはできるだけ排除した。ボテッというか」と亀梨。「できるだけ目立たないように。髪型も洋服もスタッフさんにお任せして、日常ではトリートメントしないとか(笑)。目が充血していても目薬をささないとか(笑)」と撮影中の小さなこだわりを告白して、会場を爆笑させたいた。
ドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」
12月19日(水) 夜9時からテレビ東京系にて放送
監督:深川栄洋
原作:東野圭吾「手紙」(文春文庫刊)
脚本:池田奈津子
音楽:福廣秀一朗
出演:亀梨和也 佐藤隆太 本田翼 広瀬アリス 中村倫也 高橋努 眞島秀和 西田尚美 渡辺いっけい 田中哲司 榎木孝明 小日向文世
【ストーリー】 武島直貴(亀梨和也)の兄・剛志(佐藤隆太)は、4年前、直貴を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った家で思いもかけず人を殺めてしまい、強盗殺人の罪で逮捕。懲役20年の判決が下された。それ以来、獄中から月に一度、弟の直貴のもとへ手紙を送り続けている。働きながら定時制高校へ通う直貴は「順調だから心配いらない」と兄へ手紙で報告するが、現実はアルバイトを次々と変え、住む場所も転々とせざるを得なかった。SNS社会の現代。進学、恋愛、就職…掴もうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく。次第に直貴は剛志からの手紙を無視するようになり、やがて兄弟にとって大きな選択をすることになる。差別はあって当然―犯罪加害者の弟という運命を背負いながら、周囲の人々と関わり合い懸命に生きていく直貴が見つけた絆とは一体…?
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