真野恵里菜、横浜流星らが“自分が自分でいられる場所”とは?映画『青の帰り道』完成披露上映会舞台挨拶 レポート

群馬県前橋市と東京を舞台に、7人の若者達がそれぞれの人生を交錯させ、過去の思いを胸に抱きながら、新しい未来へ向かって進んでいく青春映画『青の帰り道』が12月7日より公開となる。このほど、11月13日に新宿バルト9にて完成披露上映会舞台挨拶が行われ、キャストの真野恵里菜、清水くるみ、横浜流星、森永悠希、秋月三佳、冨田佳輔、藤井道人監督が登壇した。

主演の真野は、念願の映画完成に「公開初日はまだですが、これからいち早く観ていただけるということで、大切に、大切に今日まで大事にしてきた作品です。ホッとしている部分もあるけれど、色々な感情が渦巻いています」と素直な思いを吐露。藤井監督が「この映画は紆余曲折あって、2016年8月14日から撮り始めて2017年8月13日に撮り終わりました。長い長い旅を、真野さん含めたくさんのスタッフ・キャスト欠けることなく駆け抜けた1年でした。そこからもう1年編集に時間をかけて、こうやって皆さんに観ていただけるのは感無量」と完成までを振り返ると、真野は「公開初日を迎えていないので、まだ油断はできないけれど…なんですかね」と言葉にならずに思わず涙。それに横浜は「皆さんの前に立つと色々な感情が出て来るよね」と真野の気持ちに寄り添い、清水も「監督が私たちの思いを話してくれた」としみじみ完成を喜んでいた。

改めて真野は、「映画を通して、過去に戻れないということを痛感しました。映画は笑って感動してほしいけれど、この作品は何の変哲もない7人が大人になって挫折したりする。でもそれは私たちもそういう人生を歩んでいると思う。考えさせる映画になっています」と語った。清水は「役柄と同じように私も両親とぶつかった経験がある。でも映画を通して、あのときの両親の言葉が今の自分に役立っていると痛感しました」と役柄に共感し、秋月も「どん底になったときにそばに誰がいてくれるのかが色濃く描かれている作品。映画を観終わった時に味方がいて良かった、生きていて良かったと思えるはず」と実感を込めた。横浜は、演じたリョウと自分を重ねて「自分も今の仕事をやって行く中で、周りを見て自分が空っぽだと思う時がある。演じたリョウのようにその時の焦り、弱さを周りには見せたくないと思うことも。そんな部分に演じながら共感していました」としみじみ。冨田は「思い描いた将来とちょっと違ったときの葛藤に直面したら人はどうするか…。ユウキは一番共感しやすい役だと思う」と紹介した。

また、本作のタイトルにちなんで「自分が自分でいられる場所」を聞かれた真野は、「久々に実家に帰ったときに今まで感じなかった地元の匂いを感じて、帰ってきたと思った。有名なものも目立ったものもない普通の田舎だけれど、空気感が東京と違ってホッとする。良くも悪くも変わらないな、地元!って思った」と故郷を自分でいられる場所と紹介。横浜は「自分の部屋」といい「誰にも気を遣わず自分の好きなことを好きな時間にできるから。自分は人に相談しないタイプだからこそ、自分の部屋にいるときの自分を見つめ直す時間、向き合う時間を大切にしている。だから家にいる時間も多くなる。友達がいないわけじゃないですよ」と笑わせた。そのほか、清水は「中学時代に通っていた塾とお好み焼き屋」、秋月は「好きな映画のポスターなどが貼ってある自分の部屋」、富田は「友達と一緒にいる時間」とそれぞれ答えた。

最後に主演の真野は、「ここから映画が大きくなるのには皆さんの力が必要です。この映画を観てどう思ったのか、皆さんの素直な感想を言ってもらいたいです。私たちがどんなに頑張りましたと言うよりも、実際に観て下さった皆さんの感想のほうが説得力も増します。SNSでの感想を楽しみにしています」とリアクションを期待。藤井監督も「映画公開に向けて、一層の努力をしていきたい。沢山の人にこの映画が届きますように」と公開に向けて願いを込めていた。なお、キャストの森永悠希と戸塚純貴は、ビデオレターにてメッセージを寄せていた。

『青の帰り道』
12月7日(金) 新宿バルト9ほか全国順次公開
監督:藤井道人
出演:真野恵里菜 清水くるみ 横浜流星 森永悠希 戸塚純貴 秋月三佳 冨田佳輔 工藤夕貴 平田満
配給:NexTone

【ストーリー】 2008年、東京近郊の町でまもなく高校卒業を迎える7人の若者たち。歌手を夢見て地元を離れ、上京するカナ(真野恵里菜)。家族と上手くいかず実家を出て東京で暮らすことを決めたキリ(清水くるみ)。漠然とデカイことをやると粋がるリョウ(横浜流星)。カナとの音楽活動を夢見ながらも受験に失敗し地元で浪人暮らしのタツオ(森永悠希)。できちゃった婚で結婚を決めたコウタ(戸塚純貴)とマリコ(秋月三佳)。現役で大学に進学し、意気揚々と上京するユウキ(冨田佳輔)。7人がそれぞれに大人への階段を上り始めて3年後、夢に挫折する者、希望を見失う者、予期せぬことに苦しむ者―7人7様の人生模様が繰り広げられる。そして、再び“あの場所”に戻った者たちの胸に宿る思いとは―。

©映画「青の帰り道」制作委員会