三浦貴大「凄く思い入れのある作品」の公開に感動!映画『栞』公開初日舞台挨拶レポート

元理学療法士の経歴を持つ榊原有佑監督が自身の経験を元に描く、三浦貴大主演の映画『栞』が10月26日に公開初日を迎え、同日、新宿バルト9にて公開初日舞台挨拶が行われ、キャストの三浦貴大、阿部進之介、白石聖、池端レイナ、前原滉、池田香織、榊原有佑監督、スペシャルゲストとして西川悟平が登壇した。

献身的に患者のサポートに取り組む理学療法士の高野雅哉役の三浦は「映画は観てもらって完成とよく言いますが、今日がその日。自分としても凄く思い入れのある作品なので、こうやって皆さんと…なんですかね…感慨深くて言葉にならないです」と胸いっぱいの表情。すかさず阿部が「“言葉にならない”ということを、言葉にしてしまいましたね」といじると、照れた表情の三浦は「今日からどういう反応が返ってくるのか楽しみである一方で、怖い部分もあるけれど、感想をTwitterに書いてほしいです。Twitterは僕が一番チェックするもので、検索しやすいので。エゴサーチします」と宣言していた。

また三浦は、阿部との2度目の共演に「デビュー2年くらいの時に共演した際に、阿部さんから教えてもらったことが自分の芝居の基盤になっているので、一番尊敬しています」とリスペクト。その阿部は「その共演から8年くらい会っていなかったけれど、時間を経ても自然にやれたし信頼関係もお互いの中にあった気がする。とてもいいセッションが出来た」と相思相愛だった。

高野雅哉の妹役の白石は「重厚な内容で、榊原監督が長年温めてきた作品。丁寧に表さなければいけないと思いながらも、経験の浅い中での撮影だったのでガムシャラでした。父親役の鶴見辰吾さんや三浦さんという家族の中でのやり取りが多かったけれど、嘘なく演じられたと思います」と手応え十分。池端は公開を迎えた気持ちと作品アピールを、北京語で披露し、キャストや観客から拍手喝采を浴びるも、やや長文ゆえに三浦と阿部からは「なげ~よ!」と一斉にツッコまれていた。

前原は「三浦さんよりも7つ年下なのに同僚役って…と不安でしたが、三浦さんが気さくに話しかけてくれて、やりやすい場を提供してくれた。阿部さんも熱い方で、真ん中にいる人が熱さとやりやすさを作ってくれたので、皆さんに感謝」とニッコリ。池田は「役の心境を自分の人生に置き換えて、役を体感するように演じました」と役作りを回想し、息子役の子役との交流を明かすと、三浦は「凄くいい子で、僕ともすぐに仲良くなった。撮影中に寝ちゃったりして、その寝顔も可愛かった~」と親心を芽生えさせていた。

本作の主題曲「Winter」は、18歳で亡くなったLiam Pickerさんが残した譜面を、ピアニストの西川悟平が完成させた曲で、その背景を知った榊原監督が映画主題曲として採用した。スペシャルゲストとして登壇した西川は「今作を観たLiamのご両親は涙を流しており、キャストの皆さんの演技については国際的だと絶賛されていた」と報告した。

最後に理学療法士の経歴を持つ榊原監督は「医療現場の現実を知ってもらいたいと映画監督になり、この作品を完成させました。内容は実際に自分が体験した話を基に描いているので、映画的な脚色は一切排除しました。皆さんにも毎日のように起きている現実の話だと受け止めてほしい」とアピール。主演の三浦は「監督の思いを一つ一つ丁寧に演じようと芝居をしました。映画を観て自由に感じてもらって、その中で自分の近しい人を思い浮かべてもらえれば嬉しい。この映画は人との繋がりの話だと思います。それは人間の生活であり命。それを描いた作品です」と力を込めた。

『栞』
10月26日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開中
監督:榊原有佑
脚本:眞武泰徳
共同脚本:岡本丈嗣
音楽:魚返明未
主題歌:西川悟平「Winter」(作曲Liam Picker)
特別協賛:公益社団法人 日本理学療法士協会
出演:三浦貴大 阿部進之介 白石聖 池端レイナ 福本清三 鶴見辰吾
配給:NexTone

【ストーリー】 真面目な性格で、献身的に患者のサポートに取り組む理学療法士の高野雅哉。幼い頃に母親を亡くし、現在は父親の稔、妹の遥と離れて暮らしている。そんなある日、雅哉が働く病院にしばらく会っていなかった父・稔が入院してくる。日に日に弱っていく稔の姿、担当患者の病状が悪化するなど理学療法士として何が出来るのか自問自答の毎日で無力感に苛まれる。しかし、そんな時ラグビーの試合中にケガをした新たな入院患者を担当することになった雅哉。その入院患者の懸命に生きようとする姿に感化され、徐々に仕事への熱意を取り戻していく雅哉だったが…。病院という身近な人の死を経験する場所で理学療法士として雅哉の選択していく生き方とは…。

(c)映画「栞」製作委員会