ニューヨークの日本人コミュニティで生きる女性たちの物語『MAKI マキ』予告編

ニューヨークの日本人コミュニティを舞台に居場所を求めてさまよう女性たちを描く、イラン出身の新鋭ナグメ・シルハン監督作『MAKI マキ』の公開日が11月17日に決定し、併せて、本作の予告編がお披露目となった。

物語は、ニューヨークの日本人コミュニティを舞台に展開。自由の国、様々な人種・国籍の人間が行き交う世界一活気に満ちた街であるがゆえにアイデンティティを見失い、流れ着いた人々が生きる夜のニューヨークをクールに描き出した。

主人公・マキ役には、本作が初の映画出演となる、モデル出身でアートディレクターでもあるサンドバーグ直美。マキを愛しながらもミカのコントロール下を逃れられないトミーには、ブロードウェイで活躍する俳優ジュリアン。そしてクラブオーナー・ミカに、日本を代表する女優・原田美枝子が扮する。

メガホンを取ったナグメ・シルハンは、アミール・ナデリ監督に師事し、本作が2作目となる新鋭女性監督。ナデリ監督の『CUT』のプロデュースを手掛け、アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』にも監督補として参加したプロデューサー、ショーレ・ゴルパリアンが日本側のプロデューサーとして尽力、原田の出演につながった。

公開された予告編は、ニューヨークの日本人高級クラブでオーナーを務める、原田美枝子演じるミカの登場から始まる。日本人ホステスたちは様々なVIPを迎え、サンドバーグ直美演じる主人公マキはエヴァという名前でここで働いている。ジュリアン演じるマキの恋人トミーはマキが関係を公にすればここをクビになるよと言う。言葉もまともにしゃべることができないマキにとってトミーとこのクラブが命綱、異国の地でパートナーと暮らしながらもマキは漠然とした不安を抱え生きている。ジュリアンとミカの“関係”と仕組まれた“策略”…次第に深まっていくマキの孤独や不安。ゴッドマザーたるミカの笑い声が、待ち受ける不穏な運命を予感させる予告編となっている。

『MAKI マキ』
11月17日よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ナグメ・シルハン
出演:サンドバーグ直美 ジュリアン おおのゆりか ブランカ・ヴィヴァンコス 原田美枝子
配給:ユーロスペース

【ストーリー】 ニューヨークの日本人高級クラブ。マキはホステスとしてミカの経営するクラブで働いている。英語も話せないままアメリカ人の彼氏を追って日本を飛び出して数か月。この日本人コミュニティでの彼女の通称は“エヴァ”だ。いま彼女はボーイのトミーと暮らしている。クラブ内は恋愛禁止でトミーには女の影が絶えないが、おなかには彼の子供もいる。ある日マキはコミュニティをはじき出されたユミコの存在を知る。トミーとの関係を匂わせマキの妊娠に動揺するユミコに、マキはトミーへの不信感と孤独を募らせはじめる。そんなマキへ優しい言葉をかけたのは、彼女の妊娠に気づいたミカだった。ミカはマキをいたわり、生まれてくる子供を養子に出すことを提案するが、実はミカにはある思惑があった…。より所をなくしたマキの愛の行方は―?