2013年にWEBマガジン「くらげバンチ」にて連載がスタートした、宮川サトシによるエッセイ漫画の映画化となる『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』が、2019年2月より公開されることが決定した。
原作は、作者の宮川サトシが実際に体験した母との最期の日々から葬儀、そしてその後の生活の日々を、母親への溢れる愛情をふんだんに散りばめて描いた同名エッセイ。AmazonレビューやSNS、バンド「SEKAI NO OWARI」のボーカルのFukaseが絶賛したツイートも話題となり、500万PVを記録した。
監督・脚本は、第35回モスクワ国際映画祭審査員特別賞、第56回ブルーリボン賞監督賞を受賞した『さよなら渓谷』をはじめ数多くの秀作を生み出し、樹木希林出演の『日日是好日』(10月13日公開)も手掛けるなど国内外で高い評価を得ている大森立嗣。主人公サトシを、演劇ユニット「TEAM NACS」での活動をはじめ、映画『銀魂』、『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』、『愛しのアイリーン』、ドラマ「下町ロケット」シリーズ、「正義のセ」など数々の話題作に出演する安田顕が演じる。息子思いでパワフルなサトシの母・明子には、『楢山節考』、『うなぎ』などの今村昌平、黒澤明ら名監督が手掛けた作品に数多く出演している倍賞美津子。サトシの恋人・真里役には、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でヒロインを演じた松下奈緒。このほか、サトシの兄・祐一に数多くの映画やドラマで活躍する村上淳、そして妻を失い生きる気力を失いながらも新しい人生に踏み出すサトシの父・利明役を日本が誇る名優、石橋蓮司が演じる。
キャスト&スタッフ コメント
■安田顕(サトシ役)
原作を拝読し、淡々としながらも、その独自の目線にユーモアも感じつつ、嘘のない想いに涙しました。ゆるやかな人間賛歌の映画を生みだされた大森立嗣監督に、心より感謝申し上げます。
■倍賞美津子(明子役)
決して人数の多い組ではありませんでしたが、監督を中心に皆が必死になっている姿を見て私自身作品作りの楽しさを思い出させていただきました。スタッフ・キャストの思いのこもった作品になっておりますので、皆様にもご覧いただきたいです。
■松下奈緒(真里役)
初めて映画のタイトルを聞いた時とても衝撃的でした。大切な人がいなくなった時、人は何を思い、何を考えるのだろうか。いなくなってしまった事が悲しい、寂しい…けれども、それだけじゃない。そんな思いを優しく包み込んでくれるような温かい作品です。
■村上淳(祐一役)
静かで暑い撮影だった。初の大森組。娯楽としてどうこの脚本を具現化するのか。それにはスタッフそして俳優部の粘りや技量はもちろんふと映画館に入って帰り道になんかあれかな。あれ。とてもいい映画を見たんじゃないかなと思っていただけるような作品に向かってのサムシングを全員で模索していたような現場でした。そのサムシングを皆様ぜひ劇場で感じとっていただきたい。劇場でお会いしましょう。
■石橋蓮司(利明役)
大森監督とは十数年ぶりの再会となりますが、監督はもうすでに巨匠感を漂わせる風情で、驚かされました。次回お会いした時は、監督『さん』と呼ばなければと思っております。
■大森立嗣(監督・脚本)
昨年の夏、岐阜の大垣で映画を作っていました。ちょっと怖いタイトルですが、おバカで、愛すべき家族の話です。安田顕さん、倍賞美津子さんをはじめ、出演者たちの笑顔や泣き顔を未だに思い出します。早く皆さまにお届けしたいです。
■宮川サトシ(原作)
漫画の中で僕は「人の死にはエネルギーがある」と描きました。それが今、監督や役者さん、スタッフさんたちによってまた増幅されようとしています。ここまで読んで頂けた読者の皆様にも感謝しかありません。「こんなどこにでもある話をやめといて~」と、お袋は恥ずかしがるだろうけど…大好きな映画になれて良かったねぇ笑。
『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』
2019年2月 全国ロードショー
監督・脚本:大森立嗣
原作:宮川サトシ「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社・BUNCH COMICS)
出演:安田顕 倍賞美津子 松下奈緒 村上淳 石橋蓮司
配給:アスミック・エース
【ストーリー】 2012年・春。30代後半になるサトシは、自分の母と永遠に別れる日が来るなんて思ってもいなかった。子供の頃から病気がちで泣き虫でお調子モノだったサトシは、いつも優しく強い母に救われてきたのだ。そんな母が突然癌を告知されたのは2年前のことだった。それまで母が自分にかけてくれていた言葉を今度はサトシがかける番になる。「俺がいるから大丈夫だよ、お袋は必ず助かるから」―。百度参り、修行僧の様な滝行、国産野菜のジュース作り…サトシは母の為にがむしゃらになる。そんなサトシを優しく支えたのは恋人の真里だった。そして…母と別れて1年後。すっかり生きる気力を失っていた父と兄も新たな人生へのスタートをきった頃、サトシの元に突然、母からプレゼントが届く。それは、想像をはるかに超えた驚くべき“スペシャルな贈り物”だった―。
©宮川サトシ/新潮社 ©2019「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」製作委員会