エッセイストの森下典子が、約25年にわたって通い続けた茶道教室の日々を綴ったエッセイを、黒木華、樹木希林、多部未華子の初共演で映画化した『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)が、10月13日より公開となる。このほど、9月4日に明治記念館「蓬莱(ほうらい)の間」にてプレミアム試写会が行われ、キャストの黒木華、鶴田真由、鶴見辰吾、森下典子(原作)、大森立嗣監督が登壇。特別来賓として、高円宮久子妃殿下が御臨席した。
厳かな雰囲気の中、華やかな着物姿で登場した黒木。本編の主人公である典子を演じた黒木は「お茶を経験したことがないところから、お茶の奥深さだったり、日本の美しさを感じた作品。皆さんに観ていただけるのが嬉しいです」と挨拶した。典子の憧れる雪野役を演じた鶴田は「自然を愛でるという心の中に、本当のおもてなしに通じる何かがあるのではないかと思う。その本質を感じて、皆さまをお迎えできたら」と真剣な表情で語った。
演技に入る前のルーティンがあるか?という質問に黒木は「基本的に私はすごくネガティブなので、ルーティンを作らない。できなかったときにヘコんじゃうので(笑)」と独自のルールを告白。「何事にも動じないように、なるべくフラットでいるように心がけています」と笑顔コメントした。
骨折で本イベントに出席できなかった先生役の樹木希林からメッセージが披露される場面も。「この度、高円宮久子妃殿下の御臨席を賜りまして、ひたすら有難く頭を垂れるばかりです。台風接近もともない申し訳なく涙、涙でごさいます。心ふるえるような時をいただいております」と黒木が手紙を代読すると、会場から大きな拍手が湧き起こった。
樹木とのエピソードを聞かれた黒木は、「本当にかっこいい方」としみじみ。「毎日、朝が早くても車をご自身で運転されてこられて。『なんでそんなにかっこいいんですか?』と聞いたら、『そうなのよ。私は自分の周りにはかっこいいと思うものしか置かないようにしている』と。旅行に行く際もボストンバッグひとつ行くらしいんですよ」と、樹木のシンプルな生活がカッコ良さにつながっていることを明かした。
イベントの最後には、特別来賓の高円宮久子妃殿下がフォトセッションに加わり、多くの報道陣からフラッシュを浴びていた。
『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)
10月13日(土)、シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー
監督・脚本:大森立嗣
原作:森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫刊)
出演:黒木華 樹木希林 多部未華子 鶴見辰吾 鶴田真由 山下美月
配給:東京テアトル、ヨアケ
【ストーリー】 たちまち過ぎていく大学生活、二十歳の典子(黒木華)は自分が「本当にやりたいこと」を見つけられずにいた。ある日、タダモノではないと噂の“武田のおばさん”(樹木希林)の正体が「お茶」の先生だったと聞かされる。そこで「お茶」を習ってはどうかと勧める母に気のない返事をしていた典子だが、その話を聞いてすっかり乗り気になったいとこの美智子(多部未華子)に誘われるまま、なんとなく茶道教室へ通い始めることに。そこで二人を待ち受けていたのは、今まで見たことも聞いたこともない、おかしな「決まりごと」だらけの世界だった―。
©2018「日日是好日」製作委員会