東出昌大と濱口竜介監督がタッグを組み、芥川賞作家の柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』が9月1日に公開初日を迎え、同日にテアトル新宿にて行われた初日舞台挨拶に、キャストの東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知、濱口竜介監督、ゲストとして原作者の柴崎友香が登壇した。
いよいよ公開初日を迎え、大きな拍手で迎えられたキャスト陣と監督。主演の東出は、「この映画に携われて良かったなとひしひしと感じております」と映画の公開を実感しているとコメント。ヒロイン・朝子を演じた唐田は、「昨日の夜はクランクイン前から緊張していて。今日を迎えられることが嬉しくもあり寂しいんですけど、やっと皆さんに届けることができて本当に幸せです」と涙を浮かべながら心境を語った。
本作は、第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、現地のフランスのジャーナリストたちからは意外な感想が寄せられたという。東出は、「『この映画はホラーなのか？』と言われて、監督が『愛というのは一種の狂気だから、その狂気性が描かれていてホラーのように映ったのなら、それはそれで光栄です』とおっしゃっていて。素晴らしいことをおっしゃるなぁと横で聞いていました」とカンヌでの反応を振り返った。濱口監督は、「『ゴーストストーリーなのか？』と言われたり、そう見えるのかと驚きました」とラブストーリーとは違う捉え方に驚いたと語った。
鑑賞者からは、過去の恋愛を思い出すという感想が多く寄せられている本作。瀬戸は、ヒロイン・朝子がとった“ある行動”は「理解ができなかった」と述べつつ、「（朝子のように）本能の赴くまま突き進むことも、今の時代は大切なのかな」とコメント。MCより「失恋した経験がないのでは？」と質問された瀬戸は、「中学1年生から高校1年生まで初めてお付き合いした彼女に、本能の赴くまま行動した結果、僕は振られまして。その日に壁を叩いて、『神様～！なぜこんな仕打ちを～！』と言った経験はあります（笑）」と過去の恋愛エピソードを披露。一方で東出は、失恋は「付き合ってからはないけど…」と言い会場をどよめかせていたが、「告白して振られたことはあります！」と笑って答えていた。
イベントの終盤には、ゲストとして原作者の柴崎友香が登場し、濱口監督と東出へ花束を贈呈した。最後に東出より、「この映画の根底に流れ続けている“愛しさ”、“慈しみ”のような気持ちに嘘はないですし、現場で起きた素晴らしい奇跡の連続がこの映画になったと思うので、余韻を噛みしめながら考えていいただけると幸いです」と挨拶があり、舞台挨拶は終了した。
『寝ても覚めても』
9月1日（土）、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督：濱口竜介
原作：柴崎友香「寝ても覚めても」（河出書房新社刊）
音楽：tofubeats
主題歌：tofubeats「River」（unBORDE／ワーナーミュージック・ジャパン）
出演：東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知 仲本工事 田中美佐子
配給：ビターズ・エンド、エレファントハウス
【ストーリー】 東京。カフェで働く朝子は、コーヒーを届けに行った先の会社で亮平と出会う。真っ直ぐに想いを伝えてくれる亮平に戸惑いながらも朝子は惹かれていき、ふたりは仲を深めていく。しかし、朝子には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦（バク）に顔がそっくりだったのだー。
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