内山理名が主演を務める、「一般社団法人 日本シングルマザー支援協会」後援の映画『single mom 優しい家族。 a sweet family』が10月6日より公開されることが決定し、このほど、予告編と場面写真がお披露目となった。併せて、主人公の一人娘であるエミリー役の長谷川葉音(はのん)、松本和巳監督よりコメントが寄せられた。
本作は、大正時代から「相互扶助」の精神が根付いている北海道ニセコ町の協力のもとで撮影され、子を想う孤独なシングルマザーのプレッシャー、親を想う子の葛藤、人と関わることを拒否してきた職人の人間模様が絡み合い、やがて希望に繋がる様子を描く。
主人公のシングルマザー・愛実(まなみ)役には内山理名、人と関わることを拒否してきたミニカー職人役に木村祐一、愛実の一人娘・エミリー役には本作が映画デビューとなる長谷川葉音、愛実の子供時代のシーンの母親役には、初主演映画『私は絶対許さない』でマドリード国際映画祭主演女優賞にノミネートされた西川可奈子、そして先輩シングルマザー役を石野真子が演じる。監督は、48歳の節目に政治活動を休止し、「劇団マツモトカズミ」を旗揚げして新国立劇場での公演でも成功を収めた松本和巳。本作で監督デビューを果たした。
キャスト&スタッフ コメント
■長谷川葉音(エミリー役)
監督からこの映画の内容を初めて説明して頂いたとき、境遇が自分と似ていたのでエミリーの気持ちがよくわかり、泣いてしまいました。そして、だからこそ、私にエミリーをやらせて頂きたいと強く思いました。実際に台本を読むと、エミリーの行動に自分の感情が入り過ぎてしまい、演じるのが辛い場面もたくさんありました。そのため、演技の先生や監督、そして母にも大変心配を掛けてしまいました。しかし、母に、あなたとエミリーは似ているけど違うし、あなたにしかエミリーは出来ないと思うよ、と言われ、自信を持って演じるようにしました。演じることは初めてで緊張しましたが、内山さんが連絡先を下さり、撮影前から色々お話しして頂きました。木村さんは撮影中にボソっと一言面白いことを言って笑わせてくださったり、殺陣の指導もして下さいました。そして多くのスタッフの方々にも優しく接して頂き、リラックスして本番に臨む事が出来ました。
■松本和巳監督
2016年に行った舞台に、たまにはエンタメを楽しんでもらおうと日本シングルマザー支援協会の会員のシングルマザー親子の皆さんを20組くらいご招待しました。非常に喜んでいただいた記憶の中、舞台の次は映画をやろうと思っていたところに話があり、即シングルマザーをテーマにした映画の企画を提案したのです。NPO法人子育てパレットで実際にフードバンクのスタッフとして働かせてもらい、意識をしていない皆さんの本当の表情を見せていただきました。ちゃんと取材をしていなければ違った発信をしてしまったかも、と今更にして恐ろしくなります。フードバンクって結構笑顔が溢れているのです。でも取材をしないで自分の主観だけで描いてしまったら、逆の暗いイメージにしてしまったかもしれません。社会課題は伝聞ではなく、本当の姿を身をもって感じることが大切なのです。なので映画の方でも忠実に再現したつもりです。ここは作る側でデフォルメしてはいけないと強く思いました。映画で観たままが現実でも起きていると思ってください。日本シングルマザー支援協会の江成さん(会長)とは「今の囲い込みの支援ではなく、自立支援が大事だよね」と常に話していて、でも自立は言葉で言うほど簡単ではないという認識も共有していました。物事には過程が必ずあるため、心の問題はその過程を理解するところから始めないと紐解けないのではとも思っていたので、映画というフィルターを通してマザーたちの追い込まれていく様を伝えられたら、少しは理解も深まるのかとも思い進めました。まずは心の紐解きのきっかけになったら嬉しいですし、その理解の中で区別や差別がなくなり、“シングルマザー”という言葉が無くなることを願っています。なのでタイトルも逆にズバリのネーミングにさせてもらいました。逆にフィーチャーすることで気づいてもらうきっかけにもなるので。そして母、その子どもたちがコンプレックスを感じずに生きていける世の中であってほしいと本気で思っているので、少しでもキッカケになったらいいと思い作り上げました。
『single mom 優しい家族。 a sweet family』
10月6日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督・脚本:松本和巳
出演:内山理名 長谷川葉音 西川可奈子 森川真帆 岡元あつこ 中西悠碕 安部智凛 藤尾政弘 阿部祐二 石野真子 木村祐一
配給:渋谷プロダクション
【ストーリー】 北海道のニセコに住むシングルマザー・空愛実(そらまなみ/内山理名)は、愛娘のエミリー(長谷川葉音)と二人暮らし。仕事が決まらず、貯金を切り崩し、惨めな生活を送っていた。そんな愛実の母である実幸(西川可奈子)もまたシングルマザーだった。母とは衝突が絶えず、母からの暴力もあり、愛実は中学生のとき児童相談所に保護され、3年間母と引き離されて暮らしていた。愛実もまた、時に自分の母親が自分にしたように娘を我を忘れて怒鳴り散らしてしまう。押しつぶされそうな不安を抱えながら生きる愛実。最後の頼みの綱で勇気を振り絞って役所に相談に行った愛実は、町役場の職員で同じくシングルマザーの犬塚優子(石野真子)に出会う。時を同じくしてエミリーもまた、人との関わりを拒んで生きてきた孤独なミニカー職人の大西鉄二(木村祐一)に出会う。様々な人との出会いが、愛実を少しずつ変えてゆく。そして、あることがキッカケにすっかり忘れていた母との思い出が蘇り、愛実は初めて母の想いを知ることになる…。
© single mom優しい家族。製作委員会