「ビタミンF」「とんび」「その日のまえに」「流星ワゴン」など多数の著書が映像化されてきたベストセラー作家・重松清による短編集「せんせい。」に収録されている同名短編小説が、主演に堤真一を迎えて映画化されることが決定し、『泣くな赤鬼』として2019年に公開されることが発表された。
本作は、教師と余命半年の元生徒の再会と絆の物語。城南工業野球部監督・小渕隆は、陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導から「赤鬼先生」と呼ばれていた。甲子園出場一歩手前までいきながらも夢叶わず10年の月日が流れ、今では野球への情熱は衰え、定年間際の疲れた中年になっていた。ある日、かつての教え子・斎藤智之(愛称ゴルゴ)と偶然、病院で再会する。野球の素質はあるものの、堪え性のない性格ゆえに挫折し、高校を中退したゴルゴだったが、結婚して家庭を築き、立派な大人に成長していた。そのゴルゴが、末期がんで余命半年であることを知らされる。赤鬼はゴルゴのために、かつて彼が挑むはずだった甲子園出場を懸けた決勝戦の再現試合を企画する。
主人公・赤鬼先生には、実力とその存在感で作品世界を表現する、日本を代表する俳優・堤真一。本作で、『とんび』に続く重松清とのコラボレーションとなる。赤鬼先生の元教え子で、がんで余命半年のゴルゴには、個性溢れる演技力とその実力でドラマや映画と出演作多数の俳優・柳楽優弥。ゴルゴを献身的に支える妻・雪乃には、TV・映画と幅広く活躍する若手注目女優・川栄李奈。 監督は、『キセキ-あの日のソビト-』で大ヒットを打ち出した兼重淳が務める。
キャスト&スタッフ コメント
■堤真一(赤鬼先生/小渕隆役)
重松清さん原作の映像化は、ドラマ「とんび」以来2作目です。重松作品の読み物としての面白さはもちろんですが、この作品には、映像化によって、物語の奥にあるものを小説とは違った形で引き出し、膨らませることができる…、そんな可能性を強く感じました。野球部監督と一生徒の関係が丁寧に描かれていますが、どこか親子にも通じるような、人と人との関わりについて深く考えさせられる作品です。僕が演じる野球部の監督は、熱気に満ち溢れた現役監督時代の姿と、時を経て、元生徒と再会したときの疲労感が漂う姿の二面があります。そんな過去と現在の二面性を、決して表面的につくるのではなく、佇まいの違いで表現できればと思っています。この作品に触れて、今、自分の学生時代の思い出が鮮明に蘇ってきています。やはり先生と生徒との繋がりは、たとえ頻繁に会うことは無くなっても、その記憶は深く残っていますから。まずはバッティングセンターへ行こうかな(笑)。 是非、ご期待いただきたい作品です。
■柳楽優弥(ゴルゴ/斎藤智之役)
堤真一さんが主演される作品に参加させて頂けるという事がとても嬉しいです。自分の学生時代と状況は違いますが、先生と生徒の関係性に感情移入しながら一気に読み終えました。本当に感動しました。監督とクランクアップまでしっかりと話し合いながら、斎藤智之という役を丁寧に作り上げていきたいと思っています。この原作の素晴らしさをしっかりと伝えられるように頑張ります。是非楽しみにしていて下さい。
■川栄李奈(斎藤雪乃役)
最初お話を頂いた時、詳細な内容はまだ知らなかったのですが、決定されているキャストの名前をお伺いして、早く撮影したい!という気持ちになりました。タイトルは「泣くな赤鬼」ですが原作を読んだだけで涙が出ました。これを堤さんや柳楽さんと一緒に作品作りができると思うと、経験豊富なお二人に必死に食らいついていこうと思っています。雪乃は病に侵される夫を献身的に支え、子供には弱さを見せない力強い妻であり、母です。夫役の柳楽さんは以前共演したときのお芝居が魅力的で忘れられません。今回また夫婦役で共演できると聞き、柳楽さんがどんな空気感を作ってくれるのか私もそれを支える奥さんでいられるように頑張りたいと思います。重松清さんの作品に関われることがすごく嬉しいです。素晴らしい役者さん達と共に頑張りたいと思います。この作品は涙なしでは見られないと思います。原作の短編集がどんな長編ストーリーになるのか楽しみにしていてください。
■重松清(原作者)
いままで書いてきた「教師と生徒」のお話の中で、特に愛着のある作品です。堤真一さん、柳楽優弥さん、川栄李奈さんたちが、兼重淳監督のタクトで物語にどんな温もりを与えてくれるのか、楽しみにしています。
■兼重淳監督
堤真一さん、柳楽優弥さん、川栄李奈さんという素晴らしいキャスト、素晴らしいスタッフと共に作品作りができることを、とても光栄に思います。厳しくすることでしか生徒と向き合えなかった「せんせい」と、大人になったかつての教え子の物語を、心を込めて作ります。
『泣くな赤鬼』
2019年、全国公開
監督:兼重淳
原作:重松清「せんせい。」所収「泣くな赤鬼」(新潮文庫刊)
出演:堤真一 柳楽優弥 川栄李奈
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 城南工業野球部監督・小渕隆(堤真一)。陽に焼けた赤い顔と、鬼のような熱血指導でかつては「赤鬼」と呼ばれていた。その厳しさで、甲子園出場一歩手前までいきながらも、その夢は一度として叶わぬまま、10年の月日が流れた。今では、野球への情熱は随分と衰え、身体のあちこちにガタもきている50代の疲れた中年になっていた。ある日、診察を受けた病院でかつての教え子、斎藤智之<愛称ゴルゴ>(柳楽優弥)と偶然再会する。ゴルゴは非凡な野球センスがありながら、堪え性のない性格ゆえに努力もせず、途中で挫折し、高校を中退した生徒である。今では、20代半ばを越え、妻・雪乃(川栄李奈)と息子・集と幸せな家庭を築き、立派な大人に変貌していた。そのゴルゴが末期がんで余命半年であることを知らされる。赤鬼はゴルゴのために、かつて彼が挑むはずだった甲子園出場を懸けた決勝戦の再現試合を企画する。10年という歳月を経て、それぞれの秘めた思いを胸に、ゴルゴにとって最後の試合が行われるのであった―。
© 2019「泣くな赤鬼」製作委員会