第68回ベルリン映画祭でコンペティション部門に選出された、イザベル・ユペール、ギャスパー・ウリエル共演の映画『エヴァ』が7月7日より公開となる。このほど、主演のイザベル・ユペールとブノワ・ジャコー監督のインタビュー映像がお披露目となった。
英国の人気作家ジェームズ・ハドリー・チェイスの小説「悪女イヴ」を、舞台をアメリカからフランス(パリとアヌシー)に移して映画化した本作。娼婦エヴァには、フランスを代表する演技派女優として国際的にも活躍し、ポール・ヴァーホーヴェン監督作『エル ELLE』で第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたイザベル・ユペール。彼女に魅了され、堕ちていく作家ベルトランを、『SAINT LAURENT/サンローラン』、『たかが世界の終わり』のギャスパー・ウリエルが演じる。
本作は、ジャコー監督にとっては25作目であり、イザベル・ユペールとは『鳩の翼』(1981)以降6度目のタッグとなる。インタビュー映像では、イザベル・ユペールとブノワ・ジャコー監督が、ギャスパー・ウリエルとの共演について、そしてジャコー監督のスタイルについて語っている。
共演したギャスパーについて、イザベルは「ギャスパーにはどこか不透明なところがある。そしてとても繊細」と表現。対して、ギャスパー演じるベルトランは「強さのようなものを感じるし、同時に極度の脆さも感じる」と述べ、「彼が相手だと色んな可能性があるの。柔軟だし閉鎖的ではない」と独特の比喩でその才能を称賛している。また、ブノワ・ジャコー監督の演出スタイルについて問われると、「フィルム・ノワールね」と一言。かつてのタッグ作『Viila Amalia』(2009)では破滅型の主人公を演じたイザベルは、「彼女が見つけた先は天国のように思えるけど、実際は違う。それが彼の映画なの」と語る。そして、「物語を語るのは主人公ではなく、監督。この『エヴァ』でも、作品の魂はブノワ」と言い切るイザベルを横に、ジャコー監督は「君が言うならね」とご満悦の様子で笑顔を見せている。
『エヴァ』
7月7日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ブノワ・ジャコー
原作:ジェイムズ・ハドリー・チェイス「悪女イヴ」(創元推理文庫)
出演:イザベル・ユペール ギャスパー・ウリエル リシャール・ベリ
配給:ファインフィルムズ
【ストーリー】 他人の戯曲を盗んで発表したことで、一躍成功をつかんだ男ベルトラン。2作目を期待されるがペンは進まず、パトロンからは矢の催促が。執筆の場である別荘に着くと、吹雪で立ち往生した男女が窓ガラスを割って入りくつろいでいた。腹を立てたベルトランは、バスタブにつかっていた娼婦エヴァに文句を言おうと近寄るが、彼女に一瞬で心を奪われる。次作の題材という名目でエヴァに近づくが冷たくあしらわれ、思うようにならない関係に苛立ちを募らせたベルトランは、周囲の人間を巻き込み官能と破滅の道を突き進んでいく…。
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