山形国際ドキュメンタリー映画祭2017のアジア千波万波部門で上映され、奨励賞と日本映画監督協会賞をダブル受賞したドキュメンタリー映画『あまねき旋律(しらべ)』が10月により公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となり、ブロードキャスターのピーター・バラカンより推薦コメントが寄せられた。
本作は、山深い村々で古来より語り継がれてきた“歌”を巡る音楽ドキュメンタリー。インド東北部、ミャンマー国境付近に位置するナガランド州。あたり一面には棚田が広がり、村人たちは信じられないほど急な斜面に作られた棚田の準備、苗木植え、穀物の収穫と運搬といった作業をグループごとに行っている。そして、作業の間はいつも歌を歌い、移ろいゆく季節の豊かさ、友愛の歌など、生活のすべてを歌で表現し、一人が声を発すると、それに呼応して他の一人も歌い始める。女性も男性も一緒になって掛け合いながら歌われる「リ」と呼ばれるその歌は、山々の四方八方に広がっていく。
共同監督のアヌシュカ・ミーナークシとイーシュワル・シュリクマールは、インドの南部出身。ナガランドに古くから伝わるこの音楽に魅了された彼らは、山々に広がる棚田の雄大な風景や季節の移り変わり、人々の生活や農作業の一部始終を誇張することなく淡々とカメラに捉えていく。
■ピーター・バラカン(ブロードキャスター) コメント
田植えなどの肉体労働のリズムに合わせた集団の歌は、パッと聞いてアフリカのものかと思うような響きですが、これまでぼくは知らなかったナガランドはインド北東部、山間部の僻地。楽器も何も要らない皆の呼応する歌声が日常の潤滑油になっています。屈託ない人々の素朴な生活を追った素敵な映画です。
『あまねき旋律(しらべ)』
10月、ポレポレ東中野にてロードショー以降全国順次公開
監督:アヌシュカ・ミーナークシ イーシュワル・シュリクマール
製作:ウ・ラ・ミ・リ プロジェクト
配給:ノンデライコ
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