今年5月に開催された第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて最高賞のパルムドールを受賞した、是枝裕和監督の長編14作目『万引き家族』が6月8日より公開となる。このほど、祖母・初枝を演じる樹木希林がパチンコ玉を万引きするシーンの本編映像がお披露目となった。
本作は、「犯罪」で生計を立て、東京の下町でひっそりと暮らす家族の心揺さぶる衝撃の物語。息子と協力して万引きを重ねる父・治をリリー・フランキー、その妻・信代を安藤サクラ、信代の妹・亜紀を松岡茉優、家族の“定収入”として年金を当てにされる祖母・初枝を樹木希林が演じ、さらに、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子ら実力派俳優たちが集結。そして、2人の子役がオーディションで抜擢され、治の息子・祥汰を城桧吏(じょうかいり)、治が連れて帰ったじゅりを佐々木みゆが演じる。
『歩いても 歩いても』『海よりもまだ深く』などに続き、本作が6作目の是枝作品への出演となる樹木について、是枝監督は「初めから樹木さんを想定して脚本を書いているので、樹木さん以外にはできない役柄です」と語る。また初枝を演じるにあたり、樹木は「そのほうが気持ち悪い」という理由から、普段よりも髪を伸ばし、入れ歯を外すという役作りで挑んだ。「女優が入れ歯を抜くって相当なことよ」と明かす樹木自身が提案したこの役作りについて、是枝監督は「撮影をしている内にそれがとってもしっくりときて、この作品で肉体をきちんと撮りたいと思っていた僕の意図を脚本で汲み取ってくださったんだなと思いましたね」と明かしていることからも、樹木に対して絶大なる信頼を寄せていることが窺える。
『万引き家族』
6月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ
松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
配給:ギャガ
【ストーリー】 高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく─。
(C)2018『万引き家族』 製作委員会