是枝裕和監督がリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優らを前に「各世代で一番撮りたい役者を集めた」映画『万引き家族』完成披露試写会 レポート

『三度目の殺人』が数々の賞で称えられた是枝裕和監督の長編14作目となる最新作『万引き家族』が6月8日より公開。それに先立ち、本作の完成披露試写会が4月25日にTOHOシネマズ 日比谷で開催され、キャストのリリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、樹木希林、​​城桧吏(じょう・かいり/子役)、佐々木みゆ(子役)、監督の是枝裕和が舞台挨拶​に登壇した。

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本作がカンヌ国際映画祭へ出品されることを受け、是枝監督は「いろいろなことが立て続けに起きてまして、追いつくのに精一杯」と困惑気味な様子。「とても素晴らしい流れになっていると思うんですけど、『飛行機どうすんだ?』とか(笑)」まだ喜べる状態ではないことを明かした。

主演のリリーは「是枝さんがまたすごいものを作ったので、ぜひこの後お楽しみください」と客席に向け挨拶しつつ、「さっき(MCの)西山さんが僕に一言『いやー、情けない男の役でしたね』とおっしゃってくれて(笑)。その情けないぶりを世界の人に観ていただくとなります(笑)」とコメントし会場を爆笑させた。

是枝組には初参加だという安藤は、オファーを受けた気持ちを「意外」と述べ、「参加させていただけるとは思ってもいなかったので、ビックリしました。ついに私も本物の是枝組を見られるんだと思って」と撮影を楽しみにしていたという。

樹木希林は、松岡に対して「顔に特徴がない」と毎日言っていたそうだが、会場で松岡の人気を目の当たりして「観客動員を頼みますよ」と要求。松岡は「分かりました!宣伝活動に関しては唯一、自信を持って。宣伝は一生懸命やろうと思っています!」と元気に宣言し笑顔を見せた。そんな松岡も是枝組は初参加ということで「中高生の頃から、いつか是枝組にと思っていたのですが、自分の想像より早く入れてもらうことができたんですけど、ちょっとまだ早かったかな…」と自信がない表情を浮かべたが、「でも私が息をする場所はここだったんだ!と思うくらいすごい息がしやすくて、風通しが良くて、暖かい場所でした」と笑顔で語っていた。

最後に代表でメッセージを求められた是枝監督は「各世代で僕が一番撮りたいと思う巧い役者を集めて映画を作りました。いろんなものが稀有なタイミングで出会った映画。その現場に立ち会えている自分がとても幸せ」とコメントし、イベントは終了した。

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『万引き家族』
6月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ 
松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
配給:ギャガ

【ストーリー】 高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく─。

(C)2018『万引き家族』 製作委員会