2001年の直⽊賞候補になり、性の極限を描いたセンセーショナルな内容が話題を呼んだ⽯⽥⾐良の恋愛⼩説「娼年」が、2016年の舞台と同じ松坂桃李×三浦⼤輔のコンビで映画化され、4月6日より公開中。それを記念し、4月14日、名古屋・センチュリーシネマにて舞台挨拶が行われ、出演の冨手麻妙、猪塚健太が登壇した。
前日の4月13日に実施した大阪での三浦大輔監督、冨手麻妙、猪塚健太による舞台挨拶に続き、名古屋では冨手麻妙、猪塚健太の上映後舞台挨拶が行われた。本編上映後、ステージに登壇した二人。冨手は、「名古屋で舞台挨拶をするのは初めてです。『娼年』で名古屋の舞台に立つことができて嬉しいです」と挨拶し、名古屋市の隣、瀬戸市出身の猪塚は、「小さい頃から映画を観るのは栄でした。ここで舞台挨拶ができるのは凱旋だと思っています」と喜びのコメントをした。
舞台挨拶でまずMCに問われたのは、大発生している口コミについて。女性の評判が高いことをどう思うかと聞かれると、冨手は、「この作品は女性が観て身近に感じる、嬉しく感じる映画です。女性の味方になる映画だからだと思います」と語った。続いて猪塚は、「この映画は、観た後に誰かと話したくなる作品なんです。なかなか普段“セックス”と発言することはないし、僕もこの映画で初めて話していますけれど(笑)、そういうテーマについて語りたくなる映画なんだと思います」と答えた。
三浦監督が本作を「セックス・エンターテインメント」と表したことを紹介し、冨手、猪塚が「笑えるシーンがあったら爆笑して欲しいです」と話しながら、客席にどこのシーンが笑えたかを尋ねる場面も。「西岡德馬と佐々木心音が演じた泉川夫妻とリョウのシーンが笑えた」という観客の声が届くと、「あのシーンは笑わずにはいられないですよね!」と猪塚も納得した。
すると、「(猪塚演じる)東のパンツがあんなにいやらしいのも実は笑えるんですよ(笑)」と冨手。猪塚演じるNo.1娼夫・東は、銀色のきわどい下着を身にまとい、主人公・リョウと過激な行為を行う。「あのパンツは何故?」と冨手が問うと猪塚は、「三浦監督に『東だったら何を履くと思う?好きなのを買って良いよ』と言われ、紐の細さ、輝き具合の違う銀色のパンツを数種類用意しました。今でも家にあります(笑)」と答え会場を沸かせた。
その後、トークは主人公・リョウについての話題に。猪塚は、「(松坂は)自分が一番大変なのに、常に周りに気を配っていました。濡れ場でも相手に合わせてサポートをしてくれるんです。好きになってしまいますよね」と振り返った。冨手は、「松坂さんは、撮影を重ねるごとに“リョウが成長していくこと”を表情や感情で表現していました。役者としての凄さを感じました」と語ると、猪塚も、「セックスシーンだけを観ても、リョウの成長がわかるようになっているんです」と松坂の全身全霊の演技を讃えた。
舞台挨拶の最後には、猪塚は、「観れば観るほど話したくなる映画。R-18指定で敬遠している人もいるようですが、皆さんの声が一押しになると思っています。“一緒に話したいから観て”とか、ぜひ周りの人たちにお話して欲しいです」とアピールした。冨手も、「観終わった後に居酒屋や喫茶店で“あのセックスシーンが良かった!”とか気軽に話して欲しいです。三浦監督も言っていましたが、笑いどころでは思いっきり笑って、感動するシーンでは思いっきり泣いて、色々な感情を引き出して欲しいです」と語り、舞台挨拶は盛況のうちに終了した。
『娼年』
4月6日(⾦) TOHOシネマズ 新宿 他 全国ロードショー中
監督・脚本:三浦⼤輔
原作:石田衣良「娼年」(集英社⽂庫刊)
出演:松坂桃李 真飛聖 冨手麻妙 猪塚健太 桜井ユキ ⼩柳友 ⾺渕英⾥何 荻野友⾥ 佐々木⼼⾳ ⼤谷麻⾐ 階⼾瑠李 ⻄岡德⾺ 江波杏⼦
配給:ファントム・フィルム
【ストーリー】 主⼈公の森中領(もりなかりょう)は東京の名門⼤学⽣。⽇々の⽣活や⼥性との関係に退屈しバーでのバイトに明け暮れる無気⼒な⽣活を送っている。ある⽇、領の中学校の同級⽣で、ホストクラブに勤める⽥嶋進也(たじましんや)が、美しい⼥性をバーに連れてきた。⼥性の名前は御堂静⾹(みどうしずか)。「⼥なんてつまんないよ」という領に静⾹は“情熱の試験”を受けさせる。それは、静⾹が手がけるボーイズクラブ、「Le Club Passion」に入るための試験であった。入店を決意した領は、その翌⽇に静⾹の元を訪れ、娼夫「リョウ」として仕事を始める。最初こそ⼾惑ったが、娼夫として仕事をしていくなかで、⼥性ひとりひとりの中に隠されている欲望の不思議さや奥深さに気づき、⼼惹かれ、やりがいを⾒つけていく。
(C)⽯⽥⾐良/集英社 2017 映画『娼年』製作委員会