『三度目の殺人』が数々の賞で称えられた是枝裕和監督の長編14作目となる最新作『万引き家族』が、6月8日より全国公開となる。このほど、本作が第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品されることが決定した。
是枝監督作品としては、コンペティション部門への出品は『海街diary』から3年ぶり5回目となる(カンヌ国際映画祭への出品は7回目)。2004年の『誰も知らない』では主演の柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年の『そして父になる』では審査員賞を受賞し、海外のメディアや観客からの評価と賞の行方に大きな注目が集まる。
本作は、「犯罪」で生計をたて、東京の下町でひっそりと暮らす家族の心揺さぶる衝撃の物語。息子と協力して万引きを重ねる父・治をリリー・フランキー、その妻・信代を安藤サクラ、信代の妹・亜紀を松岡茉優、家族の“定収入”として年金を当てにされる祖母・初枝を樹木希林が演じ、さらに、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子ら実力派俳優たちが集結。そして、2人の子役がオーディションで抜擢され、治の息子・祥汰を城桧吏(じょうかいり)、治が連れて帰ったじゅりを佐々木みゆが演じる。
監督&キャスト コメント
■是枝裕和監督
こんな小さな作品に目を留めて頂いて感謝しています。素直に嬉しいです。5度目のコンペということで「賞レース」とか「意気込み」とはちょっと違う感慨もあって、本来の祭の目的である、映画という豊かな文化に触れて、今後の自分の映画作りの課題を見つけるようなゆったりとした時間にしたいなあと思っています。
■リリー・フランキー
普遍的な家族の問題と、今世界で同時期に起きている家族にまつわる社会問題。絆、金、善悪、生と性。是枝さんの切り取った、見過ごしてしまいそうで、決して見逃してはいけない日常の表裏がカンヌ映画祭に評価されたことを、心から嬉しく思い、また誇りに思います。是枝監督おめでとうございます。この、埃まみれの物語が、華やかなカーペットを歩くことに希望を感じました。
■安藤サクラ
憧れのカンヌ国際映画祭!しかもコンペティション部門!凄い!おめでとうございます!東京の谷底で黒い粒子にまみれてたあの汚ったない家族がカンヌで赤絨毯とは!かっこいいなぁ。監督、おめでとうございます!万引き家族の行方が楽しみです。
『万引き家族』
6月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー 安藤サクラ
松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ
緒形直人 森口瑤子 山田裕貴 片山萌美 / 柄本明
高良健吾 池脇千鶴 / 樹木希林
配給:ギャガ
【ストーリー】 高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく─。
(C)2018『万引き家族』 製作委員会