『ミッドナイト・イン・パリ』では1920年代黄金時代のパリへ、『カフェ・ソサエティ』では1930年代のハリウッドへと観客をタイムトリップさせたウディ・アレン監督の最新作『女と男の観覧車』が6月23日より全国ロードショーとなる。このほど、本作のポスタービジュアルが公開された。
女と男の恋と欲望、嘘と裏切りを乗せて、まわり続ける観覧車。そこから見える景色は、うっとりするほど美しいけれど、同じ場所を回転するだけで、どこにもたどり着けない。夢のように美しい映像で人生の切なさを描ききった、名匠ウディ・アレン監督の恐るべき野心作が誕生した。
安定を願いながら刺激を求め、真実の愛に憧れながら刹那の恋に溺れ、ここではない、どこかにもっと素敵な人生が待っているはずだという切ない夢に、その身を投げ出す主人公ジニーを演じたのは、巨匠ジェームズ・キャメロンの世界的大ヒット作『タイタニック』によってスターの座を獲得し、アカデミー賞に7度もノミネートされ『愛を読むひと』で遂に同賞主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレット。アレン監督の「最高峰の演技力を誇る女優でないと成立しない」という要望に見事に応え、映画史上最難関の役どころに挑んだケイトは、「最初はどうすればいいのかわからなかった」と告白するも、新境地を開拓し、各方面で圧倒的な演技が絶賛されている。
共演者には、女心を“無邪気に”翻弄するジニーの恋人のミッキーに、『ソーシャル・ネットワーク』で高く評価され、ミュージシャンとしても圧倒的な人気を誇るジャスティン・ティンバーレイク。ジニーに振り回される夫のハンプティには、脚本家、ミュージシャンとしても活躍する、『ゴーストライター』のジム・ベルーシ。ハンプティの愛らしくてセクシーな娘キャロライナを、アレンに大抜擢された新鋭、『マレフィセント』のジュノー・テンプルが演じ、一世一代の演技で魅了するケイト・ウィンスレットに匹敵する強者たちが集められた。
往年のハリウッド映画スターの風格があるとアレンに絶賛されたティンバーレイクが演じるのは、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキーだ。自身が演じた役について、「彼は偉大な脚本家になるという野望を実現すべく周囲の人々を観察し、その人間性を分析するのが大好きだ。彼らがいつか自分が書く作品の登場人物になると、心のどこかで信じ切っている。また、ミッキーは映画の中でナレーターを務めているけれど、自分と関わったすべての人々をしっかりと把握しているから、その役は適任だ。古いことわざにあるように、すべてのストーリーには3つの側面がある。当事者と相手の見解、そしてその間にある真実。ここではそれが、ミッキーの見解だ」と分析する。また、彼はジニーと恋に落ちたことについて「絶望的なほどロマンチストな彼は、ジニーの”欠陥”を美しく感じる。ミッキーはジニー自身よりも彼女の持つ悲劇的な側面を愛し、精神的に危機的な状況にある彼女に魅力を感じるんだ」と語る。
公開されたポスタービジュアルは、「まわる、まわる。秘密の恋が回る」のコピーに、暗い部屋に佇んでいるケイトと、窓からみえるきらめく観覧車が、主人公ジニーの出口を求めてさまよう心の闇と光を表し、幻想的な仕上がりとなっている。
『女と男の観覧車』
6月23日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:ケイト・ウィンスレット ジャスティン・ティンバーレイク ジュノー・テンプル ジム・ベルーシ
配給:ロングライド
【ストーリー】 時は1950年代、主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優で、今はコニーアイランドの遊園地にあるレストランで、ウェイトレスとして働いている。再婚同士で結ばれた、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、すべてが狂い始める─。
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