1990年からスタートし、今年の開催で28回目を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」が3月15日に開幕し、夕張市民らがゲストを迎える歓迎セレモニー、豪華ゲスト勢ぞろいのオープニングセレモニー、そしてオープニング招待作品の上映と舞台挨拶が行われた。
恒例となった歓迎セレモニーでは、あいにくの雨にも関わらず、約250人の市民が集まり、新千歳空港からバスで夕張に到着したゲスト陣をあたたかく迎え入れた。多数の豪華ゲストの登場で会場が盛り上がるなか、とりわけ大歓声が上がったのは、今年のニューウェーブアワード受賞者である女優の川栄李奈と俳優の葉山奨之、そして監督・脚本家の岡田磨里。受賞者らは時折地元の人々と握手や言葉を交わしながら笑顔を見せ、中でも川栄は夕張のご当地キャラクター・メロン熊と楽しげに触れ合う姿なども見られるなど、それぞれ初上陸となった夕張の地でのレッドカーペットを楽しんでいた。また、審査委員長の瀬々敬久監督をはじめ、入江悠監督、大森立嗣監督ら豪華審査員も登場し、いずれも夕張市民の熱烈な歓迎を受けながら笑顔で花道を歩いた。
メイン会場の「合宿の宿ひまわり」では、自衛隊の音楽隊によるオープニングアクトから華々しくオープニングセレモニーがスタート。セレモニーに集まった来場者数は約500名、取材陣は約50名と熱気あふれる会場で、映画祭名誉大会長の鈴木直道夕張市長の挨拶により、ついに映画祭が開幕した。今や本映画祭の注目アワードのひとつとなった「京楽ピクチャーズ.PRESENTS ニューウェーブアワード」の表彰式も行われ、今年の受賞者である男優部門の葉山奨之、女優部門の川栄李奈、クリエイター部門の岡田磨里の3名が登壇。ステージでは、受賞の喜びと今後のさらなる活躍、“ニューウェーブ”を期待させてくれる決意のコメントに、会場からも惜しみない拍手が寄せられた。このほか、審査委員長の瀬々敬久監督らが続々と登壇し、セレモニーの最後には映画祭実行委員長の小槍山博氏から開催が宣言され、大興奮の中「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」が開幕した。
本年度のオープニング招待作品に選ばれたのは、全世界累計興収7億ドルを突破し、世界的大ヒットを記録しているドウェイン・ジョンソン主演の話題作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。上映前に行われた舞台挨拶では、今最も世界で勢いのある話題作から“灼熱ジャングル”のごとく、北の大地を暖めるため、ドウェイン・ジョンソンそっくりの“和製ロック様”と、コゾウ(着ぐるみ)、メロン熊や映画祭プロデューサーの深津修一らが登場。オープニング上映を心待ちにしている観客たちから盛大な拍手で迎えられた。本作のメガホンをとるジェイク・カスダン監督も公認という、“和製ロック様”のハイテンションっぷりに、会場はたびたび笑いに包まれた。「マジジュマンジ!」というコールレスポンスも行われるなど、終始大盛り上がりの中、舞台挨拶は終了した。
本映画祭は、3月15日から3月19日までの5日間にわたり開催される。
オープニングセレモニー 登壇者によるコメント
■鈴木直道夕張市長(「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」名誉大会長)
今年もなんとか映画祭を開催することができました。本当にみなさんのお力添えをいただいて、28回目のゆうばり国際ファンタスティック映画祭を開催することができ、心から感謝でいっぱいです。これまでを振り返ってみると、名誉大会長に就任して7年ほど経ちますが、就任してすぐの年には、雪の重みで美術館が崩壊したり、メイン会場だった市民会館が使えなくなってしまったこともありました。今年は初日から雨が降ったり、JR北海道が運休している支線が止まってしまったりと、本当にこの映画祭は逆境に立ち向かっているなと。映画の世界でもそうかもしれませんが、この逆境の中で立ち向かっている姿にドラマがありますし、逆境の中から再生していく中に、多くの人の力が集まるのだと思います。そのような意味では、本映画祭らしい、初日だったのかなと。素晴らしい作品と、映画愛溢れる素晴らしい人たちが今年も揃いました。5日間、世界で一番楽しい映画祭をみんなで一緒に作っていきましょう!
■葉山奨之(ニューウェーブアワード 男優部門受賞者)
歴史あるゆうばり映画祭のニューウェーブアワード賞を頂けて大変光栄です!最初受賞の話を聞いたとき、ドッキリかな?と思ってしまったほど、驚きました。今年デビューして7年経つので、この賞を機に、日本の映画界で必要とされる俳優となれるよう精進していきたいと思います。
■川栄李奈(ニューウェーブアワード 女優部門受賞者)
私は本格的に女優業を始めてこのような賞をいただいたのは初めてなので、大変嬉しいです。映画はもちろん、お芝居をすることが大好きなので、映画の世界にいられることが本当にありがたく感じています。私がスクリーンの中で生きれるのは、監督やキャストの方々の支えがあってこそだと思うので、日々感謝を忘れずに、これからも頑張りたいと思います!
■岡田磨里(ニューウェーブアワード クリエイター部門受賞者)
今回このような素晴らしい賞をいただきまして、本当にありがとうございました!去年、脚本家デビューをして20年が経ちました。それでも新しいお仕事では、未だに緊張したり、ドキドキしたりすることもあります。本当に映像作品は、人との出会いから生まれるもので、新しい人と出会ったり、これまで一緒にお仕事をしてきた人とでも、やり方を変えるだけで、まったく新しいものが生まれます。これからも新しい作品を楽しく生み出せるよう、頑張っていきたいと思います。
■瀬々敬久(ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門 審査委員長)
僕自身は15年前に一度ゆうばり映画祭に来たことがあるのですが、インディペンデントの若い映画監督たちをすごく応援しているように感じました。街の方たちと共に、若い映画監督たちを応援する姿がすごく印象的でした。今回も世の中の風穴を開けてくれるような、素晴らしい作品に出会えることを期待しています。