二階堂ふみ、吉沢亮、行定勲監督 コメント
Q:レッドカーペットを歩いてみていかがですか?
監督:いよいよベルリンの映画祭が始まるんだなっと思ってます。注目度が高くて、活気もあって、すごく楽しいです。
吉沢:楽しいです。僕は、映画祭自体というものが初めてですし、街全体の活気もすごくて、楽しい経験をしているな、と思ってます。
二階堂:すごい盛り上がってて、ベルリンに来ることが出来たということを実感していて、とても感動しております。
Q:二階堂さんがお召しになっている衣装、すごく素敵です。
二階堂:ポイントは、日本の映画なので、日本のブランドを着たいなと思いました。UNDER COVERというブランドで、色がグリーンで青春らしさを出せたらと思いました。
Q:これから『リバーズ・エッジ』が公式上映されますが、心境はいかがですか?
二階堂:若い世代と、今まで色んな映画を作り続けてこられた世代の方、みんなで作った映画なので、魂のぶつかり合いのようなものを感じていただけたらいいなと思ってます。
監督:僕は5回目のベルリンですが、レッドカーペットを歩いたのは初めてです。すごく注目していただけているなと。ベルリンの人たちの反応(はすごく大事です)。ここから世界にその反応が拡がっていくんで、すごく楽しみにしてます。
吉沢:キャストもスタッフも全員魂を削りながら撮った作品なので、ホントにたくさんの方々に見ていただきたいです。ベルリンの映画祭で皆さんのどんな反応が返ってくるのか、すごく楽しみです。
公式上映 監督コメント
監督:皆さんこんばんは(ドイツ語)。ベルリンに呼んでいただいたのは、今回で5回目ですが、まさかのオープニング作品に選ばれるとは思ってもいませんでした。本当に感謝しております。この映画のことを少し解説しますと、1980年、90年代の日本クリエーター達に多大なる影響を与えた漫画家の岡崎京子の最高傑作と呼ばれる漫画を映画化しました。舞台は1994年の東京です。翌年の1995年の日本では大きな地震が神戸で起こり、東京ではオウム真理教という宗教団体が「地下鉄サリン事件」というテロ事件を起こし、この時期は日本の変革の時期でした。ある意味、この変革の時期、新しいカオスともいっていい時期の前夜に少年少女がどんなことを考え、どんなことをしていたかをこの映画は語っています。世界では皆さんが初めての観客になります。非常に緊張しておりますが、最後まで楽しんでいっていただいて、上映後のQ&Aでの感想を楽しみにしてます。
上映後のQ&A(質疑応答) 二階堂ふみ、吉沢亮、行定監督登壇
観客からの質問:二階堂さんと吉沢さんにお聞きします。今回の役は心理的な部分はもちろんのこと、肉体的な部分でも今回の役作りは大変だったと思います。役作りの過程を教えてください。
二階堂:あまり何か役を特別に作るとか、どういうキャラクターであるかはあまり考えずに、そのまま映画の撮影現場に行って、同世代の方々と引き出し合いながら形作っていきました。あとは、いかに演じるかということではなく、テクニカルなことでもなくて、どういう風にその場所で勘が生きるかということが、今回の作品では重要なプロセスだったと思います。
吉沢:現場に入る前に2回ぐらいリハーサルがあり、作品性について話をしましたが、現場に入ってからは、先ほど二階堂さんがおっしゃった通り、どう現場で生きるかということを考えていました。監督からは、演出があったというよりは、生命力を試されていたな、と思う瞬間が何度もありました。色んな意味でとても刺激的な現場で、試されている現場だと感じました。
観客からの質問:とて多面的で様々な色合いやトーンのある映画でした。この映画の中では、世代のギャップがあると思います。監督は90年代を実際に生きてこられた。キャストの二人はまだ生まれてもいなかった。自分が生きた95年とまだその時代に生まれていない俳優たちの間にあるギャップについてお話ください。
監督:僕にとって90年代というのは非常につまらない青春時代でした。でも、彼らからすると「よかったんじゃないか」とか、特に二階堂からは「80年代とか90年代って面白そうだよね」って言うんですね。もうすでに、ここにギャップがありますよね。でも、その20数年後の今を生きている彼らと一緒に映画を作るってことは、もしかしたら、自分の青春時代を振り返るには一番いい相手だったと思いました。僕は、いままで常に未来に向けて映画を作ってきました。この映画は、過去の自分と向き合って作った映画になりました。なので、僕にとってはいい経験になりました。
二階堂:私と吉沢君はちょうど94年に生まれているので、その95年のテロと地震のことは記憶にはないんですけど、私たちも青春時代に別の大きな地震を体験したりしています。90年代に起こった出来事のことは、鮮明には覚えていなくとも、体で覚えていたり、匂いや感覚がしみ込んでいるものがあります。
吉沢:僕も1994年に生まれて、その90年代の記憶はほぼありません。こういった作品とかで、90年代の話に触れて、90年代を知ることのほうが多いです。ただ、この作品で言うと、ファッションや話題は異なりますが、根本的な部分は今の人たちと90年代の人たちの間で違いはないと思っています。この作品は90年代の若い高校生の話ですけど、はけ口というモノが90年代と今で変わっただけだと思ってます。90年代はドラッグやセックス、暴力だったのが、現代ではSNSになったりして、はけ口の幅が拡がったりとか方向性が変わっただけで、根本にあるものはなんら変わっていないと思いながら、僕はこの映画作りに参加していました。
『リバーズ・エッジ』
2月16日(金)より TOHOシネマズ 新宿他全国ロードショー中
監督:行定勲
原作:岡崎京子
主題歌:小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」
出演:二階堂ふみ 吉沢亮 上杉柊平 SUMIRE 土居志央梨 森川葵
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】 「若草さん、今晩ヒマ? 僕の秘密の宝物、教えてあげる」。若草ハルナ(⼆階堂ふみ)は、彼⽒の観⾳崎(上杉柊平)がいじめる⼭⽥(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ、放置された“死体”を⽬にする。「これを⾒ると勇気が出るんだ」と⾔う⼭⽥に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3⼈は友情とは違う歪んだ絆で結ばれていく。ゲイであることを隠し街では売春をする⼭⽥、そんな⼭⽥に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)、暴⼒の衝動を押さえられない観⾳崎、⼤量の⾷糧を⼝にしては吐くこずえ、観⾳崎と体の関係を重ねるハルナの友⼈ルミ(⼟居志央梨)。閉ざされた学校の淀んだ⽇常の中で、それぞれが爆発⼨前の何かを膨らませていた。そんなある⽇、ハルナは新しい死体を⾒つけたとの報せを⼭⽥から受ける…。
© 2018「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社