まもなく30歳を迎える2人の対照的な女性を描き、本国で20万人以上を動員するヒットを記録した香港映画『29歳問題』が5月に公開となる。このほど、本作の予告編と場面写真がお披露目となった。
2017年3月に開催された大阪アジアン映画祭で観客賞を受賞した本作は、女優でありながら脚本や演出までこなす舞台演劇界の第一人者であるキーレン・パンの初監督作品。監督自身が香港で12年間演じ続け、ロングランヒットを飛ばした一人芝居の舞台劇を、80年代から90年代のアジアンエンタメへの愛あるオマージュを散らしながら自らの手により映画化した。香港の劇場公開時には、長年の舞台ファンはもちろん、多くの映画ファンも押しかけ、異例の興収ベストテン7週連続ランクイン。さらに、香港アカデミー賞とも言うべき第37回香港電影金像奨では、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、脚本賞、音楽賞、歌曲賞、新人監督賞の計7部門にノミネートを果たした。
予告編は、多忙を極めながらも順風満帆に思えた日々にほころびが生じだし、人生の袋小路に入ってしまった“キャリアな29歳”クリスティの日常から始まる。突然家を失い、仮住まい先で見つけた同じ誕生日のティンロの日記から、レスリー・チャンを愛する彼女のささやかな日常を垣間見たクリスティ。人生の壁にぶち当たった彼女にティンロの言葉が胸に響く映像となっている。
香港の空気感がたっぷりの場面写真は、“キャリアなクリスティ”と“夢見がちなティンロ”、2人の29歳が送る全く異なる日常が切り取られている。
『29歳問題』
5月、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:キーレン・パン
出演:クリッシー・チャウ ジョイス・チェン ベビージョン・チョイ ベン・ヨン
配給:ザジフィルムズ/ポリゴンマジック
【ストーリー】 2005年、香港。30歳を目前に控えたクリスティ。勤め先では働きぶりが評価されて昇進、長年付き合っている彼氏もいて、周囲も羨むほど充実した日々を送っている。が、実のところ、仕事のプレッシャーはキツいし、彼氏とはすれ違いがち、実家の父親の認知症も気がかりだ。そんなある日、住み慣れたアパートの部屋が家主によって売却され、退去を言い渡されてしまう。家主から紹介された仮住まい先は、女の子らしい小物でいっぱいの部屋だった。住人のティンロという女性はパリに旅行中。彼女の日記によると偶然にも誕生日が同じだが、そこに書かれているささやかな日常はクリスティのものとはまったく違い…。
© 2017 China 3D Digital Entertainment Limited