ドラマ放送開始を目前に控えた『連続ドラマW シャドウワーク』の完成報告会が11月17日、WOWOW放送センターにて開催された。DV被害に苦しむ女性たちの“究極のシスターフッド”を描くヒューマンミステリーで、多部未華子がWOWOW連続ドラマ初主演を務める。会場には多部をはじめ、桜井ユキ、川西拓実(JO1)、石田ひかり、寺島しのぶが登壇し、作品への想いや撮影裏話をたっぷりと語った。

多部が演じるのは、夫からのDVで人生を狂わされた主人公・紀子。最初に脚本を読んだときの衝撃について多部は、「こんな目にあっている方が本当にいるのか、と信じられない気持ちがありました」と率直に語る。それでも紀子の中にある強い意志をつかみ、「筋が一本通った人物として丁寧に向き合いたいと思った」と役への覚悟を明かした。セリフのない場面が多い難役だったが、「一瞬一瞬の葛藤や発見を逃さないように心がけました」と、静かな中に潜むエモーションを大切に演じたという。
イベントでは、重くシリアスなテーマでありながら、現場は“和気あいあい”だったというエピソードも披露された。寺島しのぶを中心に、真剣な芝居から笑いに切り替わるテンポの良さに多部も驚かされたようで、「さまざまな世代の俳優さんと過ごす時間は学びの連続でした」と振り返った。
一方、物語のもう一つの軸となる“刑事パート”について、桜井ユキは「強く見える女性だが、不安や葛藤を押し隠して生きている危うさを感じた」と自身の役柄に言及。若手刑事役の川西拓実は、本格ミステリー初挑戦に「皆さんの名前を見て正直めちゃくちゃ心配でした」と緊張をにじませつつ、全力で挑んだ撮影の日々を語った。桜井との掛け合いについては、演技を絶賛されながらも「ダメなときの差が激しい」と暴露され、会場を和ませる一幕もあった。
また、石田ひかりはDV被害者を保護する看護師・路子役を、「弱い立場に置かれた人たちの想いを深く理解し、葛藤と使命感を抱えた女性」と表現。寺島しのぶは、DVや性被害といった現実の問題に触れながら、「いずれこういうことが起きうるという忠告にもなっている」と、作品の持つ社会性について語った。
イベント終盤には、キャスト陣が“自分や家族のルール”を紹介するコーナーも。多部は「足首を常に温める」、桜井は「観葉植物は年に1個まで」、川西は「夜風を浴びる」、寺島は「give and take」、石田は「私は何もしません、皆さん各々で!」と個性あふれる回答が続き、会場は穏やかな笑いに包まれた。
締めくくりに、多部は「傷を負った女性たちが、希望と勇気と決意で人生を切り拓いていく物語です。エンターテインメントとして楽しんでいただきつつ、困難を抱える誰かの救いのきっかけになれば」と真摯にメッセージを送った。その言葉には、作品が担う“届けるべき想い”がまっすぐに込められていた。


■作品情報
「連続ドラマW シャドウワーク」
2025年11月23日(日・祝)午後10:00より、WOWOW/WOWOWオンデマンドにて放送・配信スタート(全5話)
第1話無料放送・無料配信
出演:多部未華子、桜井ユキ、川西拓実(JO1)、トリンドル玲奈、上原実矩、須藤理彩、街田しおん、森岡龍、竹財輝之助、石田ひかり、寺島しのぶ
原作:佐野広実「シャドウワーク」(講談社文庫刊)
監督:山田篤宏
脚本:関久代
音楽:渡邊崇
製作著作:WOWOW
©佐野広実/講談社 ©2025 WOWOW

