「“化け物みたいに面白い”作品は1本じゃない」佐藤二朗、李相日監督への愛と“日本映画の幸福”を語る

10月31日(金)、映画『爆弾』がついに公開初日を迎え、都内・新宿ピカデリーで行われた公開記念舞台挨拶に、主演の山田裕貴をはじめ、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、渡部篤郎、そしてスズキタゴサク役の佐藤二朗、永井聡監督が登壇した。ハロウィン当日ということもあり、キャスト陣は観客にカラフルな花束を投げ入れるサプライズ演出を披露。上映後の興奮冷めやらぬ観客からは万雷の拍手が送られ、会場は熱狂の渦に包まれた。

謎の男・スズキタゴサクを演じた佐藤二朗は、初日から寄せられた反響を受けて感慨深げにコメント。「移動中にジョビジョバのマギーから『日本映画の最高到達点の一本だと思った』と長文のメールが届いて。本当に嬉しかったです」と喜びを語り、さらに会場の笑いを誘う軽妙なトークも披露した。

そしてイベントの最後には、観客に向けて熱いメッセージを送った。「僕は個人的に李相日監督が大好きで、『国宝』という“化け物みたいに面白い”作品を作られてますますファンになりました。でも、今年は“化け物みたいに面白い”作品は一本じゃないと思っています。今年は日本映画にとって、とても幸せな一年なんじゃないかと心から祈っています」その真摯な言葉に、会場からは大きな拍手が湧き上がった。

主演の山田裕貴は、満席の客席を前に感無量の面持ちで語った。「“邦画史上最高傑作”という感想もあって、類家のようにほくそ笑んでいました(笑)。映画を観てくださった皆さんが、どんな言葉をSNSで届けてくださるのか楽しみです」。さらに、「映画の中では“ある投稿が一定数リポストされると大変なことになる”というシーンがありますが、映画へのお褒めのポストはいくらでもしてほしいです!」と呼びかけ、会場を笑顔に包んだ。

渡部篤郎は、「この作品は、これまでの経験値では乗り切れない何かがあった」と真摯に語り、「全員が同じ方向を向いていた“全員野球”の現場だった」と撮影を振り返った。佐藤はそんな渡部に対して、「これまで“渡部を支える佐藤”という関係もあったけど、ついに“佐藤を渡部が支える”作品が来た。渡部篤郎という男の哀愁が、この作品の大きな見どころです」と熱弁し、ふたりの絆を感じさせた。

染谷将太は「今年1月の撮影が最高の幕開けでした」と笑顔を見せ、坂東龍汰は「バディ役の伊藤沙莉さんがいたから矢吹を演じられた」と感謝を込めて語った。永井聡監督は「みんなで作った作品」とチームの結束を強調し、寛一郎も「先輩方の芝居を間近で見られて幸せでした」と振り返った。笑いと熱気、そしてチームの一体感に満ちた舞台挨拶となった。

■作品情報
タイトル: 映画『爆弾』
公開日: 大ヒット上映中!
出演: 山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、片岡千之助、中田青渚、加藤雅也、正名僕蔵、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗
原作: 呉勝浩「爆弾」(講談社文庫)
監督: 永井聡
脚本: 八津弘幸、山浦雅大
主題歌: 宮本浩次「I AM HERO」(UNIVERSAL SIGMA)
配給: ワーナー・ブラザース映画

© 呉勝浩/講談社 2025映画『爆弾』製作委員会