青石太郎監督が描く“現実と虚構の交錯”『Lilypop』予告編解禁

2025年11月22日(土)よりシアター・イメージフォーラム(渋谷)にて公開される、青石太郎監督の最新作『Lilypop(リリィポップ)』のチラシ・ポスターおよび予告編が完成し、新たに想田和弘監督、俳優の村上由規乃からのコメントが到着した。

2種類の予告編(ver.1、ver.2)が公開され、それぞれ異なる視点から本作の特徴を映し出す。撮影は監督自身の授業を行う武蔵野美術大学の学生とともに行われ、実在の美大生の関係性を基にした虚実の交錯する愛の記録が描かれている。撮影機材はiPhoneのみ、録音機材すら用いないという極めてミニマルな手法で、現実と地続きの時間を記録。被写体の親密さや、日常に滲む感情の機微がホームビデオのような温度感で捉えられている。

メインビジュアルのデザインは映画作家・久保心花が担当。「LoveとPop」「過去と未来」「現実と物語」「実体と分身」——作品の二重構造を象徴する上下の構成でデザインされている。上段には批評家・新谷和輝によるキーワード「関係性の幽霊たち」が引用され、タイトルロゴは出演者でもあるイラストレーター・あきたあもうによるもの。先行チラシのポップな丸は雪のモチーフへと変化し、“あの冬”を象徴する印象的なビジュアルに仕上がった。

【想田和弘(映画作家)コメント】
静かで地味な映画である。でもよく観れば内容はとても深い。iPhone片手にひょうひょうと作り上げてしまう青石太郎の作家性の強さと肝の座り方に、底知れぬ可能性を感じる。全編アフレコなのにこんなにドキュメンタリーっぽくて生々しいのはなんでなの?観たことのないものを観たという気がする。

【村上由規乃(俳優)コメント】
冬の緑道は寒そうなのに、りりかとえなちゃんが歩く姿を見ていると暖かくなってくる。未知の存在に立ち向かう2人の素直な言葉が眩しい。追われるのは怖いけれど、未知の閃きが存在する世界にいたい。

▼予告編 ver1

▼予告編 ver2

■作品情報
タイトル: 『Lilypop(リリィポップ)』
公開日: 2025年11月22日(土)
劇場: シアター・イメージフォーラム(渋谷)
監督: 青石太郎
出演: 鈴木理利子、渡邉龍平、松下絵真、秋田海風、大田晃
撮影: 北尾和弥、藤田恵実
制作: 吉本香音、塩野歩実
タイトルロゴ: あきたあもう
ビジュアルデザイン: 久保心花

ストーリー:
美大で写真を学ぶりりかは、最近撮りたい被写体を見つけられずにいた。同居人のエナは心の調子を崩し、部屋に閉じこもっている。かつての親密さを失った2人の関係に変化が訪れるのは、りりかが街で“エナの分身”と出会った夜——。現実と幻想が交錯する中、2人は夜の街へと踏み出していく。

©2022 Lilypop / 青石太郎