坂口健太郎と渡辺謙が共演する映画『盤上の向日葵』のジャパンプレミアが10月16日に開催され、豪華キャストと熊澤尚人監督が登壇。会場は作品の熱気と俳優陣の絆に包まれた。渡辺は「久々に血生臭い映画になりました」と語り、坂口との初共演に込めた思いを明かした。
将棋の裏社会で生きる伝説の真剣師・東明重慶を演じた渡辺は、「久々にいい加減で滅茶苦茶な男をやらせていただきました。なかなか好きにはなれない役かもしれませんが、ぜひ可愛がっていただけると嬉しいです」と照れ笑いを見せた。また「一貫性のない事この上ない。こいつ本当のことを言っているのか?と思う。だから僕の役は信用しないでください」と冗談交じりに語り、会場の笑いを誘った。
坂口との初共演について、渡辺は「彼とは似ている部分がある。オープンマインドで現場が好きで作品が好きでスタッフのことも好き。だから僕も一緒に現場に行きたくなる」とコメント。その言葉に坂口も笑顔で応え、「ケンワタナベという印象でしたが、いい意味で“謙さんってこんな方なんだ”と思いました」と感謝を込めた。
ふたりの信頼関係がスクリーンの上でも深く反映されており、劇中での激しいぶつかり合いは観客の胸を打つ迫真の芝居となっている。
プレミア当日は、佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、小日向文世、音尾琢真らも登壇し、それぞれが撮影秘話を披露。坂口は「登場人物たちの生き様を丁寧に切り取った作品」と語り、渡辺の宣言どおり、ただのサスペンスではなく、人生の痛みと希望が交錯するヒューマンミステリーとして観客の心を揺さぶることを予感させた。
先月の釜山国際映画祭で行われたワールドプレミアでは、4,500人の観客を前にスタンディングオベーションを受けた渡辺は「壮観でしたね」と感慨深げに語り、熊澤監督も「熱気に圧倒されました」とその反響を振り返った。
最後に渡辺は「ここまで命懸けで生き切ろうとする男がいるのかと。そんなものが溢れています。目を凝らして観てやってください」と力強く締めくくり、主演の坂口も「僕らの生き様を見届けてください」と呼びかけた。
■作品情報
タイトル: 『盤上の向日葵』
公開日: 2025年10月31日(金)全国公開
監督・脚本: 熊澤尚人
原作: 柚月裕子「盤上の向日葵」(中央公論新社)
出演: 坂口健太郎、渡辺謙、佐々木蔵之介、土屋太鳳、高杉真宙、音尾琢真、柄本明、渡辺いっけい、尾上右近、木村多江、小日向文世 ほか
音楽: 富貴晴美
主題歌: サザンオールスターズ「暮れゆく街のふたり」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹
©2025 映画「盤上の向日葵」製作委員会