9月21日(日)、TOHOシネマズ新宿にて、映画『おーい、応為』(10月17日公開)の完成披露上映会が行われ、主演の長澤まさみをはじめ、永瀬正敏、髙橋海人(King & Prince)、大谷亮平、そして大森立嗣監督が登壇した。会場は満員御礼の観客で埋め尽くされ、熱気に包まれた。
主人公・葛飾応為を演じた長澤は、応為をイメージした着物姿で登場。「応為を演じた時間がとても大切な思い出になったので、今日はその気持ちを込めて着物で来ました」と笑顔で挨拶。さらに「200年前の女性とは思えないほど肝が据わっていて自由。私自身もやりたいことに向かう心意気を学びました」と役への思いを語り、観客の心をつかんだ。
父・葛飾北斎を演じた永瀬正敏は「北斎として生きた日々はかけがえのない時間でした」としみじみ。さらに「どう人間として、どう親子として生きたかを出していくのが大切でした」と、従来とは異なる北斎像への挑戦を明かした。
善次郎(渓斎英泉)を演じた髙橋海人は「現代じゃない時代の作品に出るのが夢でした。錚々たる共演者を前に不安もありましたが、戦に出る気持ちで挑みました」と語りつつ、現場での長澤の存在感に「役の奥に本人の強さや色気が滲み出ていた」と感銘を受けたことを吐露した。
初五郎を演じた大谷亮平は「とても素敵な作品になりました。今日観る皆さんも楽しんでください」と観客に呼びかけ、笑いを誘う撮影エピソードも披露した。
見どころの一つが、吹き替えなしで挑んだ絵を描くシーン。長澤は「稽古部屋にこもってひたすら練習しました」と明かし、髙橋も「一言も話さず描き続ける日々でした」と振り返った。永瀬は「二人が上手すぎて“やばい”と思いながら練習を繰り返した」と語り、キャスト同士の切磋琢磨が作品に深みを与えたことがうかがえる。
さらに「極めたいこと」トークでは、長澤が「休日の過ごし方を極めたい」と語り、永瀬は「猫とのコミュニケーションを極めたい」とユーモアを交えたコメント。髙橋は「長生きしたい」と健康法を明かし、大谷は「納豆の食べ方を極めたい」と笑いを誘った。監督の大森は「梅干し作りを極めたい」と語り、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
最後に大森監督は「お守りのような映画になると思います。心の奥にしまって大切にしてもらえたら」と観客に呼びかけ、長澤も「どうぞ最後まで楽しんでください」と締めくくった。盛大な拍手に包まれ、イベントは幕を閉じた。
■作品情報
タイトル:『おーい、応為』
公開日:2025年10月17日(金)
監督・脚本:大森立嗣
キャスト:長澤まさみ、髙橋海人、大谷亮平、篠井英介、奥野瑛太、寺島しのぶ、永瀬正敏
原作:飯島虚心 『葛飾北斎伝』(岩波文庫刊)、杉浦日向子 『百日紅』(筑摩書房刊)より「木瓜」「野分」
配給:東京テアトル、ヨアケ
©2025「おーい、応為」製作委員会