芥川賞作家・高瀬隼子による小説『うるさいこの音の全部』(文藝春秋)の映画化が正式決定した。主人公・長井朝陽を演じるのは、連続テレビ小説『虎に翼』や映画『長崎-閃光の影で-』などで活躍中の川床明日香。本作で映画初主演を果たす。
物語は、ゲームセンターで働く長井朝陽が「早見有日」というペンネームで小説家デビューし、文学賞を受賞したことをきっかけに、周囲の人間模様が少しずつ変化していく姿を描く。現実と小説世界が交錯し、やがて境界が曖昧になっていく人間ドラマが展開される。
監督は『ぬけろ、メビウス!!』(2023年)の加藤慶吾。脚本は同作でも加藤監督とタッグを組んだ村上かのんが担当する。
原作者・高瀬隼子は「自分の書いた小説が映像化するのは初めてで、人物が、物語がスクリーンでどのように息をするのか想像できなくて、すごく楽しみです」と期待を寄せる。主演の川床明日香は「同じであるのに違う自分への違和感をどう映像に映し出せるのだろうと今から胸をときめかせています。初主演、身が引き締まる思いです」と語った。
映画『うるさいこの音の全部』は2025年秋に撮影を開始し、2026年冬の公開を予定。製作費や宣伝費を支えるため、クラウドファンディングの実施も発表されている。最新情報は公式サイトおよびX公式アカウントで随時発信される予定だ。
■作品情報
タイトル:映画『うるさいこの音の全部』
原作:高瀬隼子(文藝春秋刊)
監督:加藤慶吾
脚本:村上かのん
主演:川床明日香
撮影開始:2025年秋
公開:2026年冬予定