オダギリジョー「森山さんと詩を作りながら飲む…気持ち悪いですよね(笑)」『夏の砂の上』トークイベント

第27回上海国際映画祭「メインコンペティション部門」で審査員特別賞を受賞し、《読売文学賞 戯曲・シナリオ賞》受賞作を映画化した『夏の砂の上』。8月7日(木)、テアトル新宿で主演・共同プロデューサーのオダギリジョー、共演の森山直太朗によるトークイベントが行われた。公開から約1ヶ月、キャストが参加する最後のイベントとあって、ステージ上では二人が乾杯し、観客と“打ち上げ”を楽しむような和やかな雰囲気に包まれた。

オダギリは、森山演じる「陣野」役のキャスティング理由について「プロの俳優にはない佇まいや魅力が必要でしたし、森山さんと共演してみたかった」と説明。これに森山は「最初は驚きましたが、ちょうど音楽活動をクールダウンしていた時期。オダギリさんからのオファーなら断る理由がない」と応じた。さらに、撮影中はホテルロビーで開かれる“スナックジョー”で親睦を深め、「ジョーママ」と呼んでいたことも明かされ、会場は笑いに包まれた。

ティーチインでは「森山の好きなところは?」との質問に、オダギリは「17時以降は食事をしない日があったり、隙間時間にジョギングをしているところ」と回答。その理由を「自分に厳しく甘えない生活ができないから」と語ると、森山は「実は長崎弁のセリフを覚えるために坂道を歩いていた」と種明かし。さらに「今後一緒にやりたいこと」について、森山は「隠れ家でDIYを」と提案するも、オダギリは「DIYはやりたくない(笑)。詩を一節ずつ交互に作りますか」と提案し、観客の笑いと驚きを誘った。

お気に入りの森山のシーンを問われたオダギリは、「離婚の話をした後、家の外で待っている佇まい。あの空気感は森山さんだからこそ」と称賛。イベント終盤、「まだ質問に答えていない」と続行を望むオダギリに対し、森山が「このままロビーで続けましょう」と提案すると大きな拍手が起こった。最後はラストシーンに関する深い質問で締めくくられ、まるで観客と打ち上げをしたような温かなティーチインとなった。

■映画情報
『夏の砂の上』
全国公開中
出演:オダギリジョー、髙石あかり、松たか子、森山直太朗、高橋文哉、篠原ゆき子、満島ひかり ほか
監督・脚本:玉田真也
原作:松田正隆(戯曲『夏の砂の上』)
音楽:原摩利彦
製作幹事:スタイルジャム
配給:アスミック・エース

ストーリー:
雨が降らない夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子(松たか子)と別居中の小浦治(オダギリジョー)の前に、妹・阿佐子(満島ひかり)が17歳の娘・優子(髙石あかり)を連れて現れる。優子は高校へ行かずアルバイトを始め、先輩の立山(高橋文哉)と親しくなるが、ある日、治と恵子の言い争いに遭遇してしまい…。

© 2025 映画『夏の砂の上』製作委員会