ヒコロヒー「圧巻のラストシーン」、オダギリジョー「涙がこぼれた」著名人絶賛!『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』

1985年、スウェーデンの俳優ヤン・ジョンソンが体験した実話をベースに、実在の刑務所で撮影が行われた『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』が、7月29日より公開される。このほど、ポスタービジュアルがお披露目となり、併せて、お笑い芸人のヒコロヒーをはじめ著名人からの絶賛コメントがお披露目となった。

人生崖っ淵俳優エチエンヌにやっとめぐってきた大仕事は、塀の中のワケありクセありならず者たちに演技を教えて更生させること。彼はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を演目と決め、彼らと向き合うこととなる。エチエンヌの情熱は次第に囚人たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂には大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く。果たして彼らの最終公演は感動のフィナーレを迎えることができるのか?

▼著名人絶賛コメント

■串田和美(俳優・演出家・舞台美術家)コメント
この映画の題材は、かつて世界中の演劇界で話題になった実際の事件だ。僕もそのことに刺激を受け、かつて緒形拳さんらと全国ツアーをした『ゴドーを待ちながら』は網走の刑務所でも上演した。この映画はさらに刺激的だ!

■鴻上尚史(作家・演出家)コメント
『ゴドーを待ちながら』という戯曲は、本当にやっかいで、それを六カ月で服役囚が劇場で上演するというだけで大冒険なのに、次々とすさまじいことが起こり、これが実話だって言うんですから、まったくもう、言葉を失います。ガツーンとやられました。

■ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家・演出家・音楽家) コメント
「囚人たちが演劇の公演をする」。その設定自体は「へえ」ってなもんだった。俄然興味が湧いたのは、彼らの演じた演目が『ゴドーを待ちながら』だったからだ。実話だという。よくある奮闘記ではなく、感動的な映画だった。かつて演劇の先輩が網走の刑務所で『ゴドー待ち』を上演して、囚人たちにバカ受けだった。彼らがこの演目に惹かれる理由を、今も考えている。

■白井晃(演出家・俳優)コメント
演劇は人の心を解放させる。他者を意識して初めて自分は存在する。自分の存在を認められてこそ私たちは生きることができる。生きるために必要なものを演劇を通して静かに教えてくれる。

斎藤歩(俳優・公益財団法人北海道演劇財団理事長)コメント
「ゴドー」を演じたことのある人には勿論、「ゴドー」を観たことのある人にも、ある種の共感と思わぬ感動が届く映画だとは思いますが、この映画は「ゴドー」を知らない人にこそ観て頂きたい映画だと感じました。

■池田鉄洋(俳優・演出・脚本家)コメント
自由を謳歌していると思っていた私より、囚人である彼らの方が、よっぽど精神は自由だった。それを教えてくれた『唖然のラスト』20分に、私はしたたかに打ちのめされた。私はゴドーを待つことさえしていなかったのだ……。

ヒコロヒー(お笑い芸人)コメント
緊張感と臨場感がある場面の中でもユーモラスな台詞の応酬がさりげなく心地よかったです。歩んできたことは決して消えず、歩んでいく先だけが見えない曖昧な人生のなかで人と人が交差する瞬間がこうも尊くて可笑しくて、いろんなことが仕方がないのかと、悲観的ではなく、すとんと腑に落ちるように思えました。圧巻のラストシーンは凄まじく、飾り気のない本当に素晴らしい一本でした。

■オダギリジョー (俳優)コメント
映画の中での劇、つまり劇中劇は難しい。自分が演じるキャラクターが、また別の人格を演じる事で、芝居が何重にも複雑化するからだ。そのバランスが巧みなのは、監督自身が俳優で、その難しさを承知しているからに他ならない。監督の舞台に対する愛情、俳優に対する愛情が感じられ、ラストのオデオンでの公演は涙がこぼれた。

■渡辺真起子(俳優) コメント
寓話で語られる人生の不条理は、何度も謙虚にその断りを立てながら、生きることを肯定しようとしていた。過去に対する反省から思う、未来への期待は常に寓話に込められ、未来永劫、不条理を生きろと励ましているように思えた。生徒たち、囚人たちのそこに存在る美しさ、劇中劇の中で彼らは圧倒的に輝いていた。

■古舘寛治(俳優)コメント
実話を元にした映画は楽しめないことがよくある。説明的になるからだろう。前半はそんな予感もしていた。しかし、しかし・・・。最後は俳優として最高の舞台とは例えばこのことを言うのだなと羨ましくも感涙しました。

■伊勢志摩(俳優)コメント
これはヒューマンドラマの皮を被った心理サスペンス、心理スリラーですよ!あー、ハラハラした、あー、怖かった。

■湯山玲子(著述家・プロデューサー)コメント
「囚人たちの演劇が評判となり、彼らも社会も変化してハッピーエンド」という凡庸な紋切り型とは全く違う、自由とは何か?! という、この世相だからこそ重要な問題を突きつけてくる作品。彼らが演じるベケットの『ゴドーを待ちながら』の存在が、刑務所で「待つ」という意識に支配される囚人たちとオーバーラップする作劇の上手さ。演劇ファンに観ていただきたい!

■原由美子(ファッションディレクター)コメント
キャスティングのバラバラ感がフランス的な囚人たちが、意味を理解しないまま話すセリフのひとつひとつの言葉が、現実味を持って胸におさまっていく不思議さ。自分には無縁の戯曲と遠ざけていたのを後悔し、繰り返し上演される名作のわけを実感した。しかも事実がベースになっているとは。これを納得させてくれるのこそ、映画の力。

■立石和宏 (劇場プロデューサー) コメント
ここに登場する『ゴドーを待ちながら』という傑作舞台が、不条理劇ながら何故にこんなにも愛されるのか?
「待つ」人生、そんなに捨てたものではない――心が解放されるまさにその瞬間(とき)を、この映画はもたらしてくれる!

■桂真菜(舞踊・演劇評論家、国際演劇評論家協会)コメント
絶望のどん底に、運命を逆転させるチャンス!あたたかい希望を観客に運ぶ『アプローズ、アプローズ!』は、社会の厳しさも突きつける。囚人たちが演じるベケット作『ゴドーを待ちながら』は、普遍的な人生の悲喜劇として深く味わえる。

■佐藤久理子(文化ジャーナリスト)コメント
売れない俳優と、ベケットの名前など聞いたこともない、刑務所のワルたち。このでこぼこコンビのやりとりが可笑しくて、笑いながら観ているうちに、いつの間にか涙腺が緩む。なんと人情味あふれる映画だろう。ルノワールのエスプリを継承したクールコル監督に乾杯。
 
■立田敦子(映画ジャーナリスト)コメント
最も感動的な瞬間は、いつも想定外のところからやってくる。これぞ、名戯曲家も脚本家も書けないであろう、エキサイティングなストーリー。たとえ辿り着く先が違ったとしても、情熱のあるところに必ず物語は生まれる。

■石津文子(映画評論家)コメント
ゴドーを待つように、何かを待ち続ける囚人たち。演劇を通して、彼らに心の翼を授けるつもりが、自らを羽ばたかせることになる売れない俳優。そして思いもよらぬ結末。ベケットの笑みが見えるようだ。カンヌの大スクリーンに凱旋するさまを観たかった!

■SYO(物書き)コメント
楽観的な「囚人の再生物語」と思っていると、足元をすくわれる。これは喜劇なのか、悲劇なのか。或いは不条理劇なのか。そして、誰にとって? 驚くべき実話は現代劇に変換され、いまを生きる人々を惑わせる。

■東紗友美(映画ソムリエ) コメント
私も人生という名の大舞台に立っていることを自覚できた、人間の可能性と尊厳に触れるギフトのような映画でした。自分を諦めず、誰のことも諦めず、挑戦を続けたその先に何が待つのか。実話に基づいた、その真実に救われた。

■Che Bunbun(映画の伝道師) コメント
演技に没頭することで誰かになれる。しかし、仮面の隙間からは内面が染み出しているのだ。情熱掻き立てる囚人たちのエキスは、仮面かぶらぬ者を揺さぶり動かす。傍観者を虚構の共犯者に誘う魔力がそこにあった。

■しんのすけ (映画感想TikTokクリエイター)コメント
「服役囚が演劇で大活躍!」というキャッチーな設定から「そんな展開あり!?」と思わせるのに、まさかの実話!そこから劇中で題材となる有名不条理劇『ゴドーを待ちながら』の新たな視点と解釈を提示され、喜劇と悲劇をブン回してくる感動!?の作品です!

■フミヤ (映画監督・TikToker)コメント
名脚本家、エマニュエル・クールコル監督の最新作『アプローズ、アプローズ』。くすぶった崖っぷち演出家の元に舞い込んだのは、囚人たちに演技を教えるワークショップだった。舞台の上でだけ自由を噛み締める囚人たちの演技が堪らなく胸を打つ、ラスト20分で一気に感動が押し寄せるフランス刑務所映画の最高峰。

『アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台』
2022年7月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督・脚本:エマニュエル・クールコル
製作:ダニー・ブーン
共同脚本:ティエリー・カルポニエ
音楽:フレッド・アブリル
主題歌:ニーナ・シモン「I Wish Knew How It Would Feel to Be Free」
出演:カド・メラッド タヴィッド・アラヤ ラミネ・シソコ ソフィアン・カーム ピエール・ロッタン ワビレ・ナビエ アレクサンドル・メドヴェージェフ サイド・ベンシナファ マリナ・ハンズ ロラン・ストッカー
配給:リアリーライクフィルムズ

【ストーリー】 囚人たちの為に演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順風満帆とは言えない人生を歩んできた役者のエチエンヌ。彼はサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」を演目と決め、訳あり、癖ありの囚人たちと向き合うこととなる。エチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。しかし思いも寄らぬ行動を取る囚人たちとエチエンヌの関係は、微妙な緊張関係の中に成り立っており、いつ壊れてしまうかもしれない脆さを同時に孕んでいた。それは舞台上でもそのままに表出し、観客にもその緊張感がじわじわと伝染し始める。ところが彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂にはあの大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く。果たして彼らの最終公演は観衆の歓喜の拍手の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか?

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