「この映画で何かを変えたい」樹、芋生悠ら20代のキャスト陣の情熱が結集!『ROPE』初日舞台挨拶レポート

2025年7月25日(金)、新宿武蔵野館にて、映画『ROPE』の初日舞台挨拶が開催されました。登壇者は、本作の企画・主演を務めた樹をはじめ、芋⽣悠、藤江琢磨、中尾有伽、倉悠貴、安野澄、村⽥凪、小川未祐、小川李奈、そして八木伶音監督。20代の若き才能が集結した本作の船出を、会場は温かい拍手で迎えました。

映画『ROPE』は、ディストピア化が進む社会で不眠症に悩む青年と、悲しい過去を持つ女性の出会いを描く物語。彼らの対話や交流を通じて、かすかな希望の光がモラトリアムの中に差し込んでいく様子が描かれています。

主演の樹は、舞台挨拶の冒頭で「企画を立ち上げてから2年、やっとこうして初日を迎えられました。大好きな皆さんと、大好きな場所で上映できることが本当に嬉しい」と感慨深い表情で語りました。八木監督も「数えきれないほどの人に助けられて迎えた初日。本当に幸せな気分です」と喜びを口にしました。

企画の背景について、樹は「自分自身、長編映画の主演作がなかったこと、そして八木監督が長編デビュー作を撮りたいという思いから、共通の目標としてスタートしました」と経緯を説明。八木監督は「夜の静まり返った街に男が歩いていて、壁に貼られた“尋ね人”の紙というイメージが頭にあり、そこから脚本を書き始めました」と語りました。

ヒロイン・翠を演じた芋生悠は「“この映画で何かを変えたい”という樹くんの熱い思いに感銘を受けました」と出演の決め手を明かし、「脚本には、私たち世代が感じる切実な思いと八木監督らしいユーモアが融合していて、すごく面白かったです」と振り返りました。

藤江琢磨と中尾有伽は、もともと樹の友人。「連絡がきた時点で出演を決めていました」と藤江が語れば、中尾も「脚本を読んで、キャラクター構築のしがいがあると感じました」と明かしました。

“同世代の現場”について倉悠貴は「知っている人たちと映画を作るのは初めてでしたが、お互い何でも言い合える関係で、すごくクリエイティブな現場でした」と自信をのぞかせ、安野澄も「初めて同年代と作品を作る経験で、しっかり“自分の仕事”をしようと思いました」と意気込みを語りました。

村田凪は「和やかな雰囲気の中にも、“良いものを作るぞ”という空気があった」と撮影現場の緊張感を振り返り、小川未祐は「切実さとユーモア、そして独特のテンポが余韻を生んでいる脚本だと思いました」と分析。小川李奈は「“こんな脚本を八木が書けるなんて!”と驚きました。尊敬の気持ちでいっぱいです」と感慨深く語りました。

そんな仲間たちのコメントを照れくさそうに聞いていた樹は「明るく賑やかだけど、撮影前やテスト前にはみんなが役に真剣に向き合っていた。ストイックに映画を作る贅沢な時間だった」と胸の内を語りました。

舞台挨拶の最後には、映画のタイトル「ROPE」にちなんで、それぞれが連想する言葉を紹介。芋生は「つながり」、中尾は「使い方次第」、倉は「伸び縮みする、映画みたいなもの」と表現。安野と村田は「うどん」とユーモアを交え、会場を和ませました。小川李奈は「固い絆。まさに『ROPE』は友情で結ばれた映画。羽ばたくこと間違いなし!」と力強くコメント。八木監督は「人類を守るツールでありながら、不吉さも持つ。光と影の二面性を持つ素敵な小道具」と独自の視点を披露し、樹は「ロープの“ねじれ”が登場人物たちの複雑さを象徴している」と語りました。

最後に、樹は「皆さんの声がこの映画の力になります。感想をぜひ共有してください」と観客に呼びかけ、八木監督も「特別な初日に集まってくださりありがとうございます。感想を楽しみにしています」と感謝の言葉で締めくくりました。

■映画情報

タイトル:『ROPE』
公開日:2025年7月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本:八木伶音
出演:樹、芋⽣悠、藤江琢磨、中尾有伽、倉悠貴、安野澄、村田凪、小川未祐、小川李奈、前田旺志郎、大東駿介、荻野友⾥、水澤紳吾 ほか

©2025「ROPE」製作委員会